ナイキのCM「You Can’t Stop Us」の炎上と、それに対するナイキのリアクションで感じたこと ―― Whyを語れば恐れることはない

2020年末ですかね。ナイキのCMが炎上しました。ボクは最初にインスタグラムの広告で流れてきたそのCMを見て、素直に感動してFacebookでシェアしました。なので、後日それが炎上していると見聞きしたときには「えっ!?」と、理解できずにいました。以下がそのCMですが、見た方はどのように思うのでしょうか。
 

日本に住む、日本以外の国籍をルーツに持つ女の子3人のストーリーです。女性でありマイノリティである彼女たちが受ける差別や、それを跳ねのけるためにスポーツに打ち込む姿には胸を打たれます。特に昨年半ばから「女性活躍」を時代のナラティブとして感じているボクには込み上げてくるものがありました。それでも、こうした企業からのメッセージに対して「日本人は差別をしない」「日本を辱めるCMだ」「ナイキ本国のアメリカの方が差別的だ」というようなリアクションとキャンセルが巻き起こったそうです。

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3人のZ世代のフィーメイルアイコンを明るく称賛し、不確実性の時代を前向きに考えてみる。 2020年代は世界的なコロナ禍にはじまり、ブラック・ライヴス・マターの広がり、気候変動による水害、記録的な猛暑。さらに、中国の香港への過激な対応と、それを背景にする米中の分断もあり。世紀末を感じさせる、まさにブラック・スワンな不確実性の時代と言える状況です。

このような日本の一部からのリアクションに対して、ナイキはどう反応したのでしょうか。日本企業であればすぐにCMの放送を中止したり。そんな対応が思い出されます。が、ボクが知る限り、ナイキはノーリアクションで、上記のように今でもそのCMはWeb上でいつでも見られるようになっています。最近、仕事で資料をまとめていて、そうしたナイキのノーリアクションという対応に対して気が付いたこと、思ったこと。めっちゃカッチョいいと感じたりしたので、記録しておきます。

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ナイキのCMは自分たちのWhy(ミッション)を語っている

最初にボクがずっと大切にしてリファレンスし続けている「Start With Why」という考え方があります。アメリカのコンサルタント「サイモン・シネック」が書いた本であり、そこでは「人々を動かす偉大な企業や人物はWhy(なぜそれをするのか)を語る」と説明されています。
 

whyからはじめよ

What(何をしているのか)を語る企業は多い。How(どうやってそれをするのか)を語る企業もいる。でも、Why(なぜそれをするのか)を語れる企業は少なく、人々はWhyに共感できれば心が奮い立たされて行動に移る。だからWhyからはじめよ。と、サイモン・シネックは言います。

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WHYから始めよ~インスパイア型リーダーはここが違う 著者のサイモン・シネックのことはTEDのプレゼンで知って、概念的な話をとても腹に落ちる内容で説明していたのが興味深くて、著書も読んでみたいと思った。

さて、ナイキです。今回仕事で各社の企業理念(Why)について調べているときに、ナイキのそれにも行きつきました。そこにはNikeのミッションとして以下のように書かれていました。

世界中すべてのアスリートにインスピレーションとイノベーションをもたらす
発明的な精神は、アスリートの精神と同じくNIKEの中核を成していますが、どちらが欠けても大きな成果を達成することはできません。 NIKEでは、ダイバーシティがイノベーションを促し、他者への関心が創造力を高めると考えています。 NIKEの文化はインクルーシブであり、チームメイトの意見を大切にしています。

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CMで語られていた「ダイバーシティがイノベーションを促す」は、ナイキのWhyであり、それはすでに明言されているものでした。だからこそ、ナイキはあのCMを作り、また多少のキャンセルがあったとしても、ノーリアクションで堂々と構えていられたのだと、ここで分かりました。かっちょいいですね。勢いあまって、ナイキのWhy(ゴールデン・サークル)をまとめてみました。
 

ナイキのWhy

ゆるがないWhyを持ち、それを常に明示している企業は強い。と、改めて感じます。マーケティングの父「フィリップ・コトラー」は、「ブランド・アクティビズム」に言及しています。

フィリップ・コトラーが言及する「ブランド・アクティビズム」

ブランドアクティビズム

先進企業がよりよい世界をつくるためにどう行動するか。そこに対する主張と意義のないブランドは淘汰される。そうコトラーは言います。社会課題に対する立場を明確にし、言葉を発することはとても勇気がいることです。そして、立場を表明することは往々にしてアンチを生むことにもなります。今回のナイキのように。それでも、やはり生き残れるのは自らのWhyを持って語り続ける企業なんだと感じました。Whyを語る企業は強い。そう思います : )

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