セグメンテーションされつくされた「ハミガキ粉」市場の事例

共創マーケティングセミナー」では、コトラーの「STP理論」の限界を示唆しています。

STP理論自体はコトラーも限界説を解説していて、その代替が「ラテラル・シンキング」です。ラテラル・シンキングはそのカテゴリにない付加価値を、別のカテゴリを参照してクイックに反映するための考え方です。商品のコモディティ化と、ライフサイクルの短命化を見据えた手法だと捉えています。

STP理論に則って、細分化されつくした市場の事例として「ハミガキ粉市場」が挙げられていて、とてもわかりやすかったので引用します。

以下はハミガキ粉の主要ブランドと、それらが掲げているベネフィットの一覧です。

 クリニカ(ライオン):虫歯予防
 デンターシステマ(ライオン):歯周病予防
 クリアクリーン(花王):虫歯・口臭歯肉炎予防
 ガム(サンスター):歯周病予防
 オーラツー(サンスター):ステイン除去
 ピュオーラ(花王):お口のネバつき対策
 ガードハロー(花王):歯肉炎予防
 アパガード(サンギ):エナメル質の修復
 シュミテクト(グラクソ・スミスクライン):知覚過敏ケア

毎日使うハミガキ粉には、各メーカーが商品ターゲットに向けて作りこまれた、こんなにも細分化されつくされたベネフィットが詰まっています。果たしてこうしたベネフィットを認知して、購入・使用している生活者がどれだけいるでしょうか?

もちろんいると思いますが、次の商品開発のためのベネフィットの発見がいかに大変か、イメージすることができます。ポジショニングマップに入る隙間がない。まさにそんな状況です。

他にもこうした市場がたくさんあるでしょうね。ラテラルな発想法の必要性の高まりを感じます。



Photo by Jonas Bengtsson

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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