映画が好きだから。という視点に加えて、社会の空気を映す鏡としてというマーケティングの視点でも、映画興行収入成績のランキングをベンチマークしています。少し前ですが、先月4月14日~16日の全国週末興行成績を観察した際の視点について、ブログに残しておきます。
全国週末興行成績:2023年4月14日~16日 (興行通信社)
- 名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)
- 映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)
- わたしの幸せな結婚
- シン・仮面ライダー
- THE FIRST SLAM DUNK
- グリッドマン ユニバース
- 美しい彼 eternal
- 映画ネメシス 黄金螺旋の謎
- AIR エア
- 映画刀剣乱舞 黎明
4月中旬の映画館ではいよいよゴールデンウィーク作品の公開がはじまり、この週末に公開初日を迎えた「名探偵コナン」の最新作が1位を獲得しました。しかし、今回のランキングでは4位の「シン・仮面ライダー」、5位の「THE FIRST SLAM DUNK」、そして4月末に劇場公開となる「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」に注目します。興行収入120億超、動員数800万人超を達成し、ロングヒットを続けるスラムダンクの評判はご存じの通りですが、マリオの映画は日本に先駆けて公開された国々で、アニメーション作品の歴代ナンバーワン記録を軒並み更新するという大ヒットスタートとなっています。
スラムダンクは連載終了から26年を経ての映画公開、マリオは今年で生誕42周年を迎えます。この2作品に加えて、仮面ライダーは50周年記念。そして、昨年世界中で大ヒットした「トップガン」は36年ぶりの続編でした。こうしたレトロな作品が次々と劇場で公開され、ヒットを記録している現象は注目に値すると考えています。その背景に「レコノミー」という新しい資本主義の浸透が透けて見えてきます。
レコノミーは、昨今のトレンドとなっている「リサイクル」「リユース」「リスキリング」そして「レトロ」などの経済行為の頭につく「RE」に着目して造られた造語です。いずれも循環型の経済行為と言っても良いのかもしれません。持続可能な社会のために、今あるもの、昔からあったものを再び使うこと、よりよいものにしていくこと、そんなモノやコトに生活者は興味・関心を惹かれる時代のかもしれません。レトロなものに再びスポット当てるマーケティングを考えてみたくなります。
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