エターナルズ ―― 多様性を感じるキャラクターが織りなすエンタメとイシューの融合

11月5日に公開開始された、マーベル作品「エターナルズ」を観てきました。今回の劇場はTOHOシネマズ日比谷のIMAXスクリーンです。少し前まで、TOHOシネマズではマーベル(ディズニー)作品は放映されない状況が続いていましたから、少し感慨深く席につきました。

さて、内容ですが。とても、良かったです。今年に劇場公開されたマーベル作品「ブラック・ウィドウ」「シャン・チー」も良かったですが、グンを抜いてこのエターナルズが最高でした。もともと、昨年度のアカデミ-監督賞と受賞した「クロエ・ジャオ」がメガホンをとっているという話題作ではありましたが、しっかりその背景や期待を回収してくれる作品でした。

語りたいことはたくさんありますが、なるべくコンパクトに、背景・ストーリー・撮影と編集についてまとめます。スポイラー(ネタバレ)も含みますので、未見の方はご注意ください。

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エターナルズ ―― 作品の背景について

エターナルズ ―― 作品の背景について

あえて、視点をずらして説明すると、本作は増えすぎた人類によって地球が破壊される危機を迎える物語です。人口増加と経済発展によって、気候変動の危機にさらされる現実社会が投影されるストーリーです。そして、その解決方法は、その危機を打ち倒すのではなく、物質を変えて収める。という結末になっています。ここでも、エネルギーや経済社会を持続可能な形にトランスフォーメーションしようと試みる現実社会のリファレンスを感じます。

そして、そうした危機から地球を救おうと立ち上がるのが、多様性あふれるエターナルズのメンバーです。ジェンダー、レイシャル、そして障害や世代にも配慮したキャラクターが並びます。そんな彼らは、7000年前から地球を見守り、地球外の脅威から人類を守ってくれていました。その過程では、人類が犯してしまった過ちを何度も目にします。例えば、広島への原爆投下とか。。そうした、人類の愚かな行動も顧みるストーリーになっています。

多様性あふれるメンバー、つまり人類全体で、気候変動をはじめとした地球の危機を、今の生活をトランスフォーメーションする形で抑えて、解決していこうと。そんな背景を感じることができた作品でした。

エターナルズ ―― 作品のストーリーについて

エターナルズ ―― 作品のストーリーについて

宇宙の原始的存在であるセレスティアルズは、いくつもの惑星と生物を創り、また地球と人類も彼によって生みおとされました。また同時に、人類を捕食者から守るためのディヴィアンツという生物を作り出しますが、いずれディヴィアンツが人類を襲いはじめ。。今度はその脅威から人類を守るために、7000年前にエターナルズが地球に派遣される。そんなスケールが大きい時間軸から物語ははじまります。

年老いることないエターナルズは、永年の間、ディヴィアンツから人類を守り続け、ついにすべてのディヴィアンツを一掃することになります。地球への脅威を守り切ったエターナルズは、これで任務を終えられると喜びますが、セレスティアルズから任務完了の通知が届くことはありませんでした。まだ終わらないのか、という悲しみとともに、ディヴィアンツとの戦いの過程で、人類の愚行を何度も目にしてきたエターナルズの中に、果たして人類は守るべき存在なのか。という疑問が生まれ、それがきっかけでメンバーの関係に亀裂が入り、やがて解散し、別々に人間社会で暮らすことを決めるのでした。

ふたたび長い年月が経ち、メンバーの一人である「セルシ」はロンドンで博物館に勤めながら、エターナルズ仲間の「スプライト」とともに暮らしていました。同僚の「デイン」というパートナーも得て、人間社会に溶け込むセルシでしたが、突然ディヴィアンツが現れ襲われてしまいます。その窮地に現れたのが、エターナルズの仲間である「イカリス」です。ふたたび合流した3人は、ディヴィアンツの襲撃の共有のために、エターナルズのリーダーであった「エイジャック」を訊ねます。

しかし、3人はそこでエイジャックの死を知ることになります。そして、セルシはエイジャックの後継者となり、エターナルズを統べること、それからセレスティアルズとの連絡役を担うことになります。セレスティアルズとはじめてコミュニケーションを交わしたセルシは、セレスティアルズの本当の目的を知ることになります。地球とは、次のセレスティアルズを生み出すために創られたものであり、また人類は次のセレスティアルズを生むための力を蓄えるために生かされていたのでした。エターナルズのおかげで、数々の危機を乗り越えてきた人類の人口は十分に増え、数日でセレスティアルズが生まれ、地球と人類は破壊されることも知ります。

本来の目的と役割を知ったセルシとイカリス、スプライトは、世界に散らばった仲間を集め、愚かだけれど愛すべき人類を救うことを決意します。それぞれの形で人間社会で暮らしていた仲間を集め、地球滅亡の日へ備えるエターナルズですが、エターナルズによる地球の救済を阻む人物が現れます。それは、メンバーの中で一番の力を持つと一目置かれていた、イカリスでした。彼は、サノスのスナップにより人類が半分消えてしまった世界で、セレスティアルズの目的を見直し、地球を救おうと決意したエイジャックから目的と想いを事前に聞き、しかしそれに賛同できず、エイジャックを殺害していたのでした。

イカリスの行動に戸惑うエターナルズのメンバーですが、しかし彼を抑え、地球を救おうと再び立ち上がります。力強い武器を生み出す「セナ」、超スピードの能力を持つ「マッカリ」、それから「ファストス」の技術で創り出す機械でイカリスと同時に襲ってきたディヴィアンツを抑えつつ、セルシは地底から生まれ出ようとするセレスティアルズを止めに向かいます。

セルシが持つ能力は、物質を変える力。セルシは地底から湧き上がるセレスティアルズを石化させることで、地球の破壊を防ぐのでした。最後の戦いでは、空を飛び、目からビームを出すというスーパーヒーロー然としたイカリスの強大な力を、聴覚障害を持つ女性であるマッカリが翻弄する姿と、相手を攻撃する力は持たないセルシが、物質を変える力で地球を救う姿が本当にかっちょ良かったです。女性のしなやかさで強さを翻弄し、壊すのではなく変えることで危機に対処する。彼女たちの姿が現在の現実社会に必要な力であると感じました。

エターナルズ ―― 撮影と編集について

エターナルズ ―― 撮影と編集について

まずはキャスティングの話から。本作には愛すべきドラマシリーズで活躍した俳優が多数登場し、彼らがアベンジャーズの仲間に加わることに興奮を覚えました。イカリス役の「リチャード・マッデン」は、ゲーム・オブ・スローンズのスターク家の長男「ロブ」を演じていて、感動する戦いの姿を見せたマッカリは、ウォーキングデッドでも聴覚障害を持つ女性として活躍しています。そして、ファストス役の「ブライアン・タイリー・ヘンリー」は、「アトランタ」の「ペーパーボーイ」!!さらに、セルシのパートナーであり、ポストクレジットでは次のスーパーヒーローへの覚醒の予感を感じさせたデインは、ゲーム・オブ・スローンズの主役「ジョン・スノウ」を務めた「キット・ハリントン」。加えて、ミッドクレジットでは次の作品で新たに登場するキャラクターとして、「ハリー・スタイルズ」まで登場し、近年のポップカルチャー好きにはたまらないキャストが揃った作品でもありました。

さて、撮影については。監督クロエ・ジャオの真骨頂である、雄大な自然と黄昏時の情景をたっぷり見せてくれつつ、女性が活躍するバトルシーンと、加えて、地球よりも巨大なセレスティアルズの姿を大迫力で描いています。これほどスケールが大きい、巨大な生物(?)を描いたのは、アベンジャーズシリーズでもきっとはじめてです。スーパーヒーロー作品をクロエ・ジャオに撮らせることに関しては、各所で不安の声や、賛否がありましたが、ボク的には監督の良い特徴と、アベンジャーズシリーズの中でも、より大きなスケールの世界観を観せてくれた、大満足の撮影と編集でした。

2019年のエンドゲームで一区切りをつけ、今年2021年から新たな局面を迎えたアベンジャーズシリーズですが、期待感を増幅させてくれるエターナルズでした。次は「スパイダーマン」。でも、日本公開は2022年に延期されたようですね。。エニウェイ。アベンジャーズの2021年の締めくくりとして、素晴らしかったエターナルズでした : )

エターナルズ ―― 多様性を感じるキャラクターが織りなすエンタメとイシューの融合

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