機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 戦時下に一人の兵士の決断と行動を考えさせられる作品

映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」を観てきました。劇場は有楽町にある「丸の内ピカデリー Dolby Cinema」です。はじめて訪れましたが、IMAXとはまた違い良い映画体験でした。

作品に対してはあまり予備知識を入れずに臨みましたが、所謂ファーストガンダムの中の物語。第15話のリメイクなんですね。このタイミングでこのテーマ、そしてファーストガンダムを観ていない人でも理解して楽しめるストーリーを選んでいるところが秀逸でした。この映画も今、観たからこそ感じることが多かった作品なので、背景・ストーリー・撮影と編集について記録しておきます。

目次 - post contents -

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 作品の背景について

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 作品の背景について

2022年も半ば、世界は今もひとつの国の侵略に注目せざるを得ない状況が続いています。国と国との戦争、侵略に関して、我々が見聞きするのはその大きな戦局の変化についてです。しかし、忘れてはならないのはその大きな戦略の変化は、それぞれの国民ひとりひとりの行動や生死によっておこっていること。

このククルス・ドアンの島という物語は、そうしたひとりひとりの行動について描いた作品です。地球連邦軍とジオン公国の大きな戦争の中で、戦争孤児を守るためにその戦局を離れ、ひとり戦う男にフォーカスした物語です。歴史には残らないけれど、我々の心に残しておくべき戦士の物語を今、観ることで、改めて世界で起きている大きな出来事の下で行動する人々のことを考えなくてはならないと思わせてくれた作品でした。

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 作品のストーリーについて

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 作品のストーリーについて

激化する地球連邦軍とジオン公国の争いの中、独立部隊であり、遊軍であるホワイトベースは戦局の赴くままに、軍にとって都合のよい部隊として任務を与えられていました。宇宙から地球に降り立ったホワイトベースに与えられた任務は、孤島アレグランサ島の残置諜者を調査せよという指令でした。

戦争の大局とは関係のない任務に対し、司令部へのいら立ちを募らせる「ブライト・ノア艦長」とクルーたちでしたが、ガンダムのパイロット「アムロ・レイ」を含むメンバーをアレグランサ島へと向かわせます。アレグランサ島に降り立ったガンダムですが、そこで旧型のザクと対峙します。ザクを駆るのはやり手のパイロットであり、ガンダムとの性能の違いを覆し、アムロが乗るガンダムを島の崖へと追い込み、崖から落下させます。

戦闘によって意識不明となったアムロですが、目覚めたのはベッドの上でした。外からは子どもたちの声が聞こえてきます。ベッドを抜けだし声のする方へと向かったアムロは、たくさんの子どもたちに囲まれて農作業をする屈強な男「ククルス・ドアン」でした。

ドアンはアムロに何を聞くともせず、体を労わります。しかしアムロはドアンの言葉に反発し、ひとりガンダムを探しに島の探索へと出かけます。夜になってもガンダム捜索の手がかりがつかめないまま疲弊するアムロ。ドアンはともに暮らす「カーラ」にアムロを迎えにいくように告げます。疲弊するアムロと出会ったカーラは、アムロの食事を用意していることを告げ、ともに家に帰るように促します。

ドアンやカーラからの施しを受け、徐々に心を開くアムロ。それとともに、アムロに対して敵対心を持っていた他の孤児たちもアムロへの心を開いていきます。一方で、地球連邦軍とジオン公国の戦いとかけ引きは激化していきます。地球へと侵攻したジオン軍を叩こうと戦力を終結させる地球連邦軍に対し、ジオンの司令官「マ・クベ」は作戦を中止しないと忍ばせてある核兵器を発射することを告げ、交渉します。しかし、地球軍元帥の「ゴップ」はこれに応じません。

マ・クベは核兵器の発射を実行させるために、屈強なモビルスーツチーム「褐色のサザンクロス隊」をアレグランサ島へと向かわせます。そう、核兵器の隠し基地はドアンの島にありました。そして、ドアンはそれを発射させまいと軍を抜け、ジオン公国との連絡を遮断していたのでした。ドアンの島へと向かう、サザンクロス隊。そして、ホワイトベースでもアムロの救出のために捜索隊を島へと向かわせます。

ドアン、サザンクロス隊、ホワイトベースの捜索隊がアレグランサ島で邂逅します。アムロは再びガンダムに乗り、ドアンとともにサザンクロス隊と対します。アムロの活躍もあり、サザンクロス隊を退け、核兵器による地球への危機も救うこととなりました。戦いの後、アムロはドアンにジオン公国も地球連邦軍も、この島に引き寄せてしまうのはドアンがまとう戦いの匂いのせいだと諭し、その象徴であるドアンのザクを海へと沈めてしまいます。

驚く子どもたちに、ドアンは「アムロくんはとても良いこととしたんだ」と話します。ここで正式に戦いを放棄し子どもたちと生きていくことを決めたドアンに対し、アムロはホワイトベースの仲間たちとともにドアンの島を出て、再び大戦の最中へと向かうのでした。

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 撮影と編集について

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 撮影と編集について

低予算、毎週放送という過酷な条件の中で制作された過去アニメ作品を、しっかりと時間と予算をかけて作り直すという試みを賞賛します。冒頭にも触れた通り、現代の図らずともリアルとクロスオーバーしてしまうということは、良いストーリーであることの証でもありますが、そんなストーリーを納得いかない品質で世に出してしまったことを製作者サイドも後悔していたという話題を見聞きしました。アニメ作品の撮影と編集について語ることは難しいのですが、こうした製作者サイドの後悔と忸怩たる想いを払拭するために、力を込めて制作・編集されたことが伝わってくる作品でした。

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 ―― 戦時下に一人の兵士の決断と行動を考えさせられる作品

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

sharing is!

コメント - comments -

コメントする

CAPTCHA


目次 - post contents -