トップガン マーヴェリック ―― 36年ぶりに今、このタイミングで公開された米海軍の戦闘機乗りの話

世界中で、そして日本でも興行成績好調な「トップガン マーヴェリック」を観ました。

劇場は池袋のグランドシネマサンシャインのIMAX/GTテクノロジーのスクリーンで。日本最高峰のスクリーンで、36年ぶりに満を持して公開された米海軍の戦闘機乗りの話を、ドッグファイトを堪能しました。今回も、作品の背景、ストーリー、撮影と編集の視点で感想を記録しておきます。スポイラー(ネタバレ)を含みますので、気になる方はご注意ください。

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トップガン マーヴェリック ―― 作品の背景について

トップガン マーヴェリック ―― 作品の背景について

世代間の、そして組織のヒエラルキーの中での分断や格差の問題を感じる作品です。そして、コロナ禍による公開延期を経て、今。ロシアによるウクライナ侵攻がはじまり、まだその収束が見えない状況の中で軍事を扱う作品が公開がはじまるというタイミングも相まって、世界規模での分断を感じさせる作品にもなりました。そして、組織の中の分断はそれよりも大きな敵が現れると解消されること。今の民主主義国の緊密な連帯の背景まで透けて見えるという皮肉さえも内包されるような、そんなタイミングで公開された作品でもありました。

トップガン マーヴェリック ―― 作品のストーリーについて

トップガン マーヴェリック ―― 作品のストーリーについて

36年前(作中では30年前)と同様に、本作のナラティブは「マーヴェリック」。前作と同様のシーン、音楽とともに、バイクにまたがり戦闘機と並走するマーヴェリックの姿から物語ははじまります。そして、また前作と同様にトップガンチームに配属されるマーヴェリック。前作と異なるのは、今回は教官としてチームに参加することに。

そして、トップガンチームには果たすべき目的がありました。敵国が進めているウラン濃縮のための施設を叩くこと、それがトップガンのミッションです。難解なミッションに臨むチームにマーヴェリックを派遣したのは、かつてのライバルであり、今は空軍司令官へと上り詰めた「アイスマン」でした。さらに、トップガンチームにはマーヴェリックの恩讐を継ぐ人物が名前を連ねます。かつての相棒であり、同乗する戦闘機で命を落とした「グース」の息子「ルースター」がトップガンチームに派遣されてきました。

難解なミッションを攻略するために、厳しい訓練を設定するマーヴェリック。しかし、若いトップガンメンバーはそんな彼に反目するとともに、チーム内でも気持ちがまとまらずに訓練の成果がついてきません。そんな状況の中、司令官というポジションではあるが、今は喉頭ガンを患い余命わずかのアイスマンとマーベリックは再会します。アイスマンは彼にトップガンとミッションを託すことを伝えるとともに、チームを一つにするべきだと示唆を与えます。

アイスマンとの再会を期に、チームへの関わり方を改めるマーヴェリック。それに伴い徐々にチームとして機能しはじめるトップガンたち。しかし、また訓練中にトラブルが起きます。加えて、アイスマンの訃報が伝えられます。アイスマンの後ろ盾がなくなった途端に、トラブルを理由にトップガンの教官を解任されそうになるマーヴェリック。しかし、ここで自ら戦闘機に乗り訓練に参加、難解なミッションを攻略する道筋を示します。そして再び、教官かつパイロットとしてトップガンに迎えられます。

チームはいよいよ敵のウラン濃縮施設を破壊するミッションへと臨みます。いくつもの課題を乗り越え、マッハ10の壁も突破してかろうじて敵施設を破壊したトップガンメンバーでしたが、大量の敵のミサイルが彼らを追ってきます。ルースターにそのミサイルが迫ったとき、マーヴェリックは自らの機体を犠牲にしてルースターを助けます。敵施設内に墜落するマーヴェリックですが、帰還命令を無視してそれを助けにきたのはルースターでした。ルースターの機体も失い、敵施設内に取り残される二人ですが、施設内に待機してあった、30年前に操った古い戦闘機F14を奪い、二人でそれに乗り込み敵施設を脱出します。

脱出の途中では、ルースターのライバルである「ハングマン」の助けもあり、空母へと帰還を果たします。そして、30年前のアイスマンとのシーンを同様に、ライバルだったルースターとハングマンの和解。そして、ルースターとマーヴェリックとの和解がなされ、ミッションの成功に沸くチームスタッフに囲まれて、トップガンの難関なミッションは成功裡に集結します。同時に、マーヴェリックの恩讐も氷塊していくのでした。

トップガン マーヴェリック ―― 撮影と編集について

トップガン マーヴェリック ―― 撮影と編集について

IMAX/GTテクノロジーの大画面で見ごたえがある映画でした。数々あるドッグファイトのシーンでは、戦闘機の外側からの視点と内側からの視点がくるくると入れ替わり、とんでもないカット数を見せてくれるのですが、それこそ縦長の大スクリーンだからこそ上下のアクションが映える撮影でした。内側のコクピットからの視点もすさまじく、パイロットの背景に映る景色や音速を超えるときのスーパーソニックの表現などなど、堪能できました。「テネット」や「デューン」のIMAXの美しさも素晴らしいと思いましたが、空中におけるアクションこそ、これぞ映画と感じた撮影でした。

編集については、前作トップガンのリファレンスが楽しいポイントだったと思います。ボクもぎりぎりで前作を観返してから本作に臨んだことでその辺りを多少は楽しむことができました。トップガン、映画としてとても興奮できる作品でした : )

トップガン マーベリック ―― 36年ぶりに今、このタイミングで公開された米海軍の戦闘機乗りの話

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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