少し前、ゴールデンウィーク明けにマーベル映画の最新作「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」を観ました。劇場は池袋、グランドシネマサンシャインのIMAXレーザー/GTシステムです。
本作は、ボクが大好きだったガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの最終章であり、また大好きなアクション映画監督であるジェームス・ガンのマーベルでの最後の映画になると言われています。ダイバーシティとポップミュージックと、コメディが満載の本シリーズの最終章も楽しく観てきました。背景とストーリー、撮影と編集についてまとめます。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 ―― 作品の背景について
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはマーベル作品の中で、最も多様性があるシリーズでした。チームで活躍するストーリー、人種や性差・種別を超えて協力するチームと、みんなダメだし、みんな良い。メンバーそれぞれの弱点を認めつつ、強みを活かして巨悪と対峙する姿勢が好印象な作品です。
本作ではその多様性の幅を広げ、COP(気候変動に関する国際連合枠組条約)でも謳われた、生物多様性を訴える作品となりました。動物の命も大切。そんなメッセージが前面に出てくる内容です。そして、それを体現したために、「スターロード/ピーター・クイル」が命を落としそうになるという場面においては、世界の潮流に対しちょっとしたアイロニーを感じさせる、マーベルもしくはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズらしさも持ち合わせています。ポストコロナを迎え、再び加速しようとするグローバル資本主義経済社会と、加速するのではなくスローダウンを考えようとする姿勢。どちらかをとる分断ではなく、どのように調和を成し遂げるのか。そんなことを訴える背景もあるのではないでしょうか。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 ―― 作品のストーリーについて
本作ではガーディアンズの主要メンバーのひとり「ロケット」の命を救うめの戦いと、それに伴い謎が多かったロケットの過去について紐解かれるストーリーが描かれます。メンバーと一緒に暮らしつつも、相変わらず「サノス」との戦いで失った「ガモーラ」を想い、酒浸りの主人公ピーター。そんなピーターをののしりながらも見守るメンバー。そんな暮らしの最中に、メンバーが拠点とする惑星ノーウェアにロケットの命を狙う敵が襲来します。
メンバーと「ネビュラ」の活躍で敵を追いやったガーディアンズですが、その襲来によってロケットが瀕死の重傷を負ってしまいます。ロケットを救おうと治療するメンバーですが、ロケットの体内を調べようとするとそれを拒否するプログラムが作動し、治療を進めることができません。そのプログラムを解除し、ロケットを救おうとするガーディアンズ。その過程で、ロケットの出生の謎が解き明かされていきます。
ロケットは遺伝子操作を行う企業オルゴ・コープ社によって、アライグマへの生物実験によって生まれた生物でした。そして、その過去には生物実験によって生まれた他の動物たちと友情を深め、そして失うという経験をしていたことが明らかになります。悲しきロケットを救うためにオルゴ・コープ社から、プログラム解除のキーを奪取するガーディアンズですが、すでにロケットは心肺停止の状態。生死をさまようロケットを生きる道へと導いたのは、過去に友情を交わし、そして亡くなっていった動物たちでした。
命を取り留めたロケットですが、オルゴ・コープ社の実験材料とされていた多数の動物たちを救うことをガーディアンズに訴えます。ロケットの奮闘で動物たちを救ったガーディアンズですが、それを見届けて脱出しようとするクイルは母親から託されたカセットが入った音楽プレイヤーを落としてしまい、それを拾うために脱出が遅れ、宇宙空間に取り残されてしまいます。しかし、そこでクイルを助けたのはオルゴ・コープ社の人体実験で生み出され、本作でガーディアンズの敵として立ちふさがった「ウォーロック」でした。生物多様性を守ったクイルは、敵に救われ命を取り留めたのでした。
ロケットの命を救ったガーディアンズですが、大きな変化がありました。ピーターはひとり故郷の地球に戻り、ガモーラは再びラヴェンジャーズと合流。ネビュラと「ドラッグス」はノーウェアの再建に尽くすことを決めます。そして、ガーディアンズは新しいキャプテンとしてロケットがたち、グルートとヤカを習得した「クラグリン」、そしてウォーロックを新たなメンバーに加えて再始動します。エンドロールの最後には「ピーター・クイルは戻ってくる」というメッセージが残されました。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 ―― 撮影と編集について
ポップミュージックが満載のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズですが、本作の幕を開けたのはボクが大好きな「レディオヘッド」の「クリープ」でした。「地べたを這う虫けらのような変わり者」というリリックをバックミュージックにロケットが闊歩する。そんなはじまりです。
撮影と編集も、変わった、奇妙な戦闘シーンが本シリーズの特徴だと思います。相変わらず、変幻自在なグルートの戦闘シーンは興味深く、そしてかつては「ヨンドゥ」が扱い、そしてクラグリンに引き継がれたヤカの矢による戦闘は華麗で苛烈です。そんな美しい武器を扱うのがいかつく奇妙なルックスのヨンドゥとクラグリンであるところもガーディアンズの奇妙な編集でしょう。心躍るポップミュージックと奇妙な撮影と編集は最終章も健在なガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでした : )
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