東京は8月に入って梅雨明けして、連日猛暑が続いています。が、7月は長梅雨の影響でずっと雨で、愛おしい革靴が履きづらい日々が続いていました。
そんな7月末に、ついに我慢ができなくなって、朝から怪しい雲行きだったのにも関わらず、オールデンのコードバンローファー(Alden #986)を履いて会社へと向かいました。そんな日の帰り道に、パラパラと雨に降られてしまい、ひどい雨ではなかったのにも関わらず、コードバンの表皮に水シミができてしまいました。
いやいや、水に弱いとは聞いていましたが、こんなに簡単にできちゃうものなんですね。多少の後悔と、でもそれ以上に「手入れしてきれいにやっつけてやるぜ」という気持ちが沸いてきます。オールデンやコードバンを愛する諸先輩たちの情報を参考にしつつ、メンテナンスしていきます。方針は、まずは通常のお手入れの通り「ステインリムーバー」で汚れを落としつつ水シミの様子を観察。次に「デリケートクリーム」を塗布して保革。この段階で水シミが残っていたら、「レザースティック」で表皮を擦って水シミの凸凹を均していこうと。では、進めます。
コードバンローファー(Alden #986)の水シミ対策・ケア
方針通り、まずはステインリムーバーで汚れを落とします。端切れにリムーバーをしみ込ませて表皮をササッと拭っていきます。ステインリムーバーはサラサラとした液体なので、この段階で水シミの凹凸を中和してくれるのではないかな、というほのかな期待を込めて行います。
ステインリムーバー後です。まだ、いますね。。次のステップに進めます。
デリケートクリームはM.モウブレィの「リッチデリケートクリーム」を使っています。こちらもプルプルとして水分含量が多いクリームなので、水シミの凹凸が均されるといいなと思い。ペネトレイトブラシを使って塗り込んでいきます。
デリケートクリーム塗布後です。まだ水シミの跡が残っています。なかなかしつこいものですね。では、ちょっと抵抗があってやらないでよいものなら避けたかった「レザースティックで擦る」というメンテナンスに移ります。
レザースティックなどと言っていますが、使っているのは牛の角でできている「かっさ棒」です。ツボマッサージにも使えるやつですね。水シミ部分にデリケートクリームを少しのせて、その上からなでるように擦っていきます。コードバンの表皮はツルツルしているので、力を入れなくても滑るようにスティックが動きます。
レザースティック後です。水シミは、消えました!他の革靴ではない手入れの方法で、コードバンは確かに気を遣いますが、こうした手間をかけることもより一層の愛着が沸く要因のひとつです。
仕上げは大好きな「クリームナチュラーレ」で。ペネトレイトブラシで塗布後に、馬毛のブラシでクリームを均します。これで自然なツヤをまとわせて完了です。
美しい仕上がりになりました。改めて、コードバンの革靴の水シミケア・対策の方法をメモしておきます。
- 馬毛のブラシで全体のホコリを落とす
- ステインリムーバーをクロスにしみ込ませて表面をクルクルと撫でるように汚れを落とす
- リッチデリケートクリームをペネトレイトブラシで塗布して保湿する
- 水シミが気になる部分にデリケートクリームを追加で塗布し、レザースティックで擦って凹凸を均す
- クリームナチュラーレをペネトレイトブラシで塗布して補色する
- 馬毛のブラシでブラッシングしてクリームを馴染ませる
以上が、今回の手入れ・メンテナンスで行って水シミをやっつけた方法です。これからもなるべく雨・水は避けて履いていきますが、もしものときにはこうして手入れすることで美しく履き続けることができることがわかりました。大切に、楽しく履いていきます : )
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