相変わらずランニングのお供はSpotifyのポッドキャスト「POP LIFE」です。今シリーズのゲストはUKバンド「SuperOrganism(スーパーオーガニズム)」の「野口オロノ」。日本人で19歳のエモい女の子。タナソーは「フラジャイルなニヒリスト」と表現してたっけ。
デビューしたころに「オロノちゃん」と言われて不機嫌になっちゃうぐらいジェンダーに対する表現に敏感で、40代のおじさんが触れるにはちょっとビビってしまうキャラクターで、女の子なんて言ったら怒られてしまうかもしれない。不遜な態度でハイティーンのはつらつさもなくて、敬語も使わずすんげー年上のタナソーを呼び捨てしてしまう女の子。
いったい何者なんだと聴き進める。
好きなのは音楽と自分の立ち位置を明快に言い表した一言
キャラクターは聴き進めるごとに難解を極めていきます。マジむかつくとか、ホント病みたいとかエモい言葉を発したかと思えば、でも全部どうでもいい。とかニヒリズムを全開にしたりして。父への敬意、母との友情、兄妹への愛情を示したかと思えば、でも病んでたけどね。なんて宣う。
正直近くにいたら触れるのをためらう腫れものっぷりで。今までの放送でおじ様たち相手に上手にホストしてきた三原勇希さんも戸惑う様子が感じられました。すげぇ、脅威の若者。だけどね、今なんで世界で野口オロノが注目されるのか、という問いに対する回答がとっても良かった。
若くて、女性で、アジア人で。全部いいとことってんじゃん。
だって。超クール。世界のトレンドを冷静に俯瞰して感じとり、自分の立ち位置を正確に言い表す。そして、結局そんなのキモいっつってニヒルに振る舞う。扱いづらそうで面倒くさそうだけど、かっちょいい。まぁ、自分よりめっちゃ年下のポップスターってこんな感じなのかもしれません。そんでもって、こんなオロノに興味が沸いてスーパーオーガニズムの曲を聴いてみたのですが、すごくいいです。
「Something For Your M.I.N.D.」は彼女がスターダムを駆け上がるきっかけを作ったデビュー曲。ストリーミングサービスにアップしたこの曲をヴァンパイア・ウィークエンドやフランク・オーシャンなどのビックアーティストがフックアップして、彼女たちの音楽が世界に届くことになりました。
「Night Time」のグッドです。オロノの歌声はクールだけど奥底にある熱が感じられて、それを抑え隠して歌い上げる雰囲気がたまりません。
スーパーオーガニズムの1stアルバムのオープニングを飾る「It’s All Good」は彼女たちの楽曲の中ではアッパーな一曲。この曲やスーパーオーガニズムの男女混合で多国籍なメンバリングを見ていると、カオリやツチダが在籍していた頃の「ザ・ゴー!チーム(The Go! Team)」を想い出します。
メンバーも楽曲も、色とりどりで鮮やかなチーム。だいぶニヒルなオロノだけれど、8人もメンバーがいたからツアーは死んだね。なんて言っちゃうけど、しっかりと世界のトレンドに則って、聴く人を良い方向に導いてくれる曲を演ってくれることに期待して、これからも聴きます : )
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