2020年、新型コロナウイルスのパンデミックの後に最も早く公開されたハリウッド超大作・ブロックバスター映画の「TENET テネット」を映画館で観てきました。
デジタル撮影が主流となる映画界で、IMAXフィルムでの撮影に拘り続ける「クリストファー・ノーラン」の作品なので、絶対に映画館で観た方が良い。そして最低でもIMAXシアターで、できることなら、IMAX最高峰の「IMAXレーザー/GTテクノロジー」の映画館で観るべきだというオピニオンを参考に、日本全国で2つしかないというIMAXレーザー/GTテクノロジー搭載の映画館「グランドシネマサンシャイン 池袋」で鑑賞してきました。
この劇場システムのわかりやすいすごさは、1.9:1の画角が限界だったスクリーンを1.43:1のスクリーンに投影ができること。つまり縦幅が広いスクリーンでの鑑賞が可能になります。グランドシネマサンシャインのスクリーンの縦幅のサイズは6階建てのビルの高さに相当するそうで。。映像に包まれるような大きなサイズのスクリーンで観ることができました。
そのスクリーンでは、これまでトリミングされてしまっていた上下の映像を観ることができるのが優越感に浸ることができます。他のスクリーンではトリミングされることが前提なので、字幕は中央からちょっと下に表示されるのが新鮮でした。その字幕の位置は意外と見やすい位置で、映画に没入できると感じました。
音響も「12チャンネル・オーディオシステム」が採用され、右から左へ、上から下へ、音が飛び交い、体も心も揺さぶられる感じです。本編の音響もたまらなかったけど、エンディングの「トラヴィス・スコット」がこの映画のために書き下ろした「The Plan」の胸への響き方がたまらなかったです。ライブで聴く音楽も最高ですが、こういう映画館のオーディオシステムで聴く音楽もまた素晴らしい体験だと気づかされました。
さて、映画のストーリーの方ですが。スポイラー(ネタバレ)になるほどの情報を書くことは1度見ただけの理解では難しそうです。ただ、監督・脚本を手掛けたクリストファー・ノーランっぽさはすごく良くわかりました。ノーラン作品は「バットマン(ダークナイト)トリロジー」と「インセプション」「インターステラー」を観てきましたが、後者の2作と同様に時間だったり記憶の階層が幾重にも重なって、登場人物がそれぞれの階層で複数人登場してきます。
今回の場合は、順行世界と逆行世界。さらにまた逆行世界から順行世界に入っていったり、逆の逆というような世界・視点が幾重にも重なることで、映画の評判として言われている「めっちゃ複雑」なストーリー展開が繰り広げられます。
ボクは大好きなポッドキャスト「POP LIFE: The Podcast」で少し予習してから観たので、それなりに理解できたと思っています。むしろ、聴いてから観た方が楽しめる映画かもしれません。特に番組内で宇野維正さんが言っていた「ニールはクリストファー・ノーラン自身を投影したキャラクター。テネットは映画に対する愛情を表現した映画だ」という視点は、それを噛みしめながら鑑賞することでグっときた部分も多かったです。
ボクにとってもコロナ後のはじめての映画館でしたが、IMAXレーザー/GTテクノロジーの初体験やクリストファー・ノーラン自身を意識してノーラン作品を観る体験といい、なかなか貴重で想い出に残る映画と映画体験になりました。劇場公開中にもう1度観に行ってもいいかも。少なくとも配信がはじまったら必ずもう1度観る作品です : )
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