以前からドフォーマルな内羽根のストレートチップの革靴にはロイヤリティを感じられずにいました。
革靴の最初の一足はコレから。というオピニオンや、各シューブランドの名作も知識として知ってはいたのですが、せっかく高価な革靴を買うならば一目でそれとわかるアイデンティティを持ったデザインがいいなと思って、あえて内羽根ストレートチップをラインナップに加えることはありませんでした。
が、先日パラブーツのランスのフィッティングのために訪れた青山で、ついでにと立ち寄ったトリッカーズのスタッフさんに促されて履いたドレスシューズにグッと感じるものがあって。細身のスラックスやスーツにはフォーマルな表情の革靴が似合うんだなといういまさらな基本的な発見をしたのでした。
で、今一番欲しいパラブーツのランスの次に手に入れようと、情報を集めはじめました。10万前後するようなメッチャ高いシューズではなく、でも思入れが持てるブランドで、トゥがポテっとした表情がいいな。ソールはやっぱりラバーの方が気楽でいいや。などなど。
その結果、ミリタリーダービーを1年半以上履いて満足しているサンダースのキャップトゥ・オックスフォード(1846B)にしようと決めました。ミリタリーダービーと同様のポテっとしたトゥ・の表情や、いろいろ履いているラバーソールの中で最も屈強であると評価しているコマンドソールを採用しているのが決定の理由です。
情報収集して心が落ち着いて、さてパラブーツ/ランスの次に冬のボーナスのタイミングにでも買おうと決めたのですが。。そんなときのあるあるで、ヤフオクで状態のよいユーズド品が目につくのです。あら、と。とりあえずウォッチリストに入れてみて、そうするとしばらくして30%以上のディスカウントの通知が入ってきたりして。加えて10%オフのクーポンが手に入ったりと。たまらずポチっとしたのがことの顛末です。
早速手元にやってきたので初期の状態を記録に残しておきます。
サンダース(Sanders)Cap Toe Oxford #1846B 履きこみ前の状態の記録
ユーズドとはいえ、とても良い状態でまた外箱やサンダースのオリジナルクロスもキレイなまま同梱されていました。外箱は上品なネイビーカラーで、ブランドロゴさえ印字されていないミニマルなデザインです。こういう感じが好きです。
全体観です。内羽根ストレートチップは特徴がないのが特長というのでしょうか。どんなフォーマルな場所に履いていっても恥ずかしくないシンプルなキャップトゥ・オックスフォードです。それでも、トゥのポテっとした丸みがサンダースっぽいですかね。
横顔もめっちゃシンプルです。レザーは柔らかなイタリアンスカーフレザーです。ミリタリーダービーのポリッシュドレザーと異なり、磨きがいがあって、磨けば磨くほどその手間に応えるように表情が良い形で変化してきそうな革質です。
後ろ姿はドレスシューズでたまに見られるデザインで、ステッチが一直線でなくカーブを描いて留められています。
購入の決め手にもなった屈強なコマンドソールの状態も残しておきます。ユーズドですがすり減った様子は一切見られません。全体でもアッパーに履きジワがうっすらと刻まれているぐらいで、使用感はあまり感じられません。この状態からなら自分で育てた靴という印象で履き続けることができます。
インソールには「ShoeS」の刻印があります。「SANDERS」でないのは英国の軍用靴を納めていたころの名残で、公平性を保つためにブランド名の刻印が禁止されていたからだそうです。せめてもの抵抗で社名であるSanders&Sanders ltdから二つのSをとり、最初と最後の「S」だけフォントを大きくして“ShoeS”と表記しているそうです。そんな以前のブランド名表記を復刻させているのは「1846」はサンダース社の145周年記念限定モデルだからなのです。ちょっと物語がある靴ですね。
サイズはミリタリーダービーと同様の「6ハーフ」を選んでジャストフィットでした。
週末に試し履きです。FOBファクトリーのベイカーパンツと合わせてみました。きっとこれからはカジュアルなワークパンツと合わせることはあまりなく、スラックスやスーツの足元を飾る靴になるので貴重な組み合わせですね。とは言いつつ、軍用靴ブランドだったサンダースですので、こんな組み合わせもアリなんじゃないかなとも思えてきました。
予定より早く手元に加えることになったサンダースの内羽根ストレートチップシューズです。大切に永く履いていきます : )
コメント - comments -