コッペパンのヒットにもレコノミーが反映される

「レコノミー」は、今トレンドとなっている経済行為の頭につく“RE”を取り上げて作られた新しい造語です。リサイクルやリユース、レトロ、リスキリングなど、循環型の経済行為を指して使われる言葉でもあります。今回はこの中から「レトロ」を取り上げ、レコノミーの象徴になるようなヒット商品を紹介します。

今年のヒット商品のひとつとして数えられると思いますが、ファミリーマートの「生コッペパン」です。2023年2月末の発売から20日間で1000万食を突破し、これまでの大ヒット商品として挙げられる「ファミマ・ザ・クリームパン」の記録を上回るハイペースで販売されています。商品名にも謳われている最大の特徴であるコッペパン生地が目指したのは「懐かしさ」と「新しさ」の両立だそうです。これを実現することで、中高年と若年層の架け橋となる商品になるという目標を掲げていました。

商品に加え、広告・宣伝でも中高年と若年層の両者に届くようにコミュニケーション設計されていました。本商品のCMをご覧になった方もいると思いますが、俳優の吉田鋼太郎さんとモデル・女優の八木莉可子さんを起用し、中高年と若年層の両者に食べて欲しい商品であることをPRしています。商品と広告・宣伝の両方に「懐かしさ」と「新しさ」を両立させてヒットへと導いた商品ですが、そこには40代以下と50代以上の人口構成比が拮抗する2020年代の世代レス社会への対応も感じることができ、またレトロがヒットする背景やその条件も読みとることができます。

中高年には懐かしいレトロなものは、若年層には新しいものとして捉えられる。その視点を持って、レコノミーを喚起させることが世代レス社会のタテ型消費に対応する方法なのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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