分断の世紀だから、レゲエとボブ・マーリィを聴こう ―― POP LIFE:The Pod Cast「レゲエ回」

先週・今週に公開されたSpotifyのポッドキャスト「POP LIFE:The Pod Cast」のテーマはレゲエ。中学2年生のころから30年弱。ずっとレゲエというかボブ・マーリィ好きなので、POP LIFEでタナソーさんからレゲエの話が聴けるのにとても興奮しました。出演はホストの田中宗一郎(タナソー)さんと三原勇希さんに加えて、ゲストは池城美菜子さん。R&B/ヒップホップ/レゲエ/アメリカ文化全般を主なドメインに音楽ライター/翻訳家として活動している方です。

21世紀のレゲエにまつわる話しと、池城さんがスタッフとして活動していたレゲエ・ジャパンスプラッシュ等のフェスの裏側の話がとても興味深かったです。2005年あたりから、レゲエの市場は厳しくなっていて、その理由は「ゲイカルチャーを否定する」レゲエの文化が背景にあることは知りませんでした。でも、それにも根っこの話があり、ジャマイカのような途上国では、権威ある男性が若い男の子に性の強要をする場面があり、それに対する否定の姿勢がリリックに現れているということも知りました。

フェスの話題では、高校時代を想い出します。1994年、ボクが高校1年生のときに、地元山梨に「レゲエ・ジャパンスプラッシュ」がやってきました。普通なら田舎の高1がそんなレゲエのフェスに参加なんてできるはずがないのですが、ボクにレゲエを教えてくれた中学校の音楽の先生が連れていってくれたのでした。とても幸せなことで、そのW先生はボクの人生の師匠です。大学で東京に出てきてからはほとんど会うことはありませんが、成人式で会ったとき、30代で開催された同窓会のときに会ったとき、当時の話をして改めてお礼をしました。

先生の影響でやっぱりボブ・マーリィが大好きで、ジャパスプではボブ・マーリィのコーラス隊を勤めたアイスリーズがステージに立ち、大興奮と大感動したのを覚えています。ボブ・マーリィの妻である、リタ・マーリィの顔を拝むことができ、富士山の麓のコニファーフォレストという大きな野外ステージで、彼女たちの「スリー・リトル・バーズ」を聴きました。

Don’t worry about a thing ―― 心配しないで だいじょうぶ
Cause every little things gonna be alright ―― 小さなことさ そんなこと
Singin’ don’t worry about a things ―― 唄おう くよくよしないで
Cause every little things gonna be alright ―― すべてきっとうまくいく

このリリックと当時のステージを想い出せば、どんな辛いことでも乗り越えていけると思います。本当に大切な想い出。

POP LIFEではボブ・マーリィの功績について、あまり時間をとって話しはしていませんでしたが、今の社会と重ねて、いろいろ思うこと、思い出すきっかけになりました。番組ホストのタナソーさんもよく言及しますが、今は分断の世紀です。アメリカ国内で、資本主義国と独裁国家の間で、年代で収入の違いで、様々な立場の人たちが分断の問題に直面しています。そんな社会に身を置く中で、ボブ・マーリィの「ワン・ラブ・ピースコンサート」のことを想います。

1978年、イギリスの植民地から独立したばかりのジャマイカは、国内の2大政党が覇権を争い、銃撃戦を伴う内戦と呼ばれるほどの抗争を続けていました。そんなジャマイカの分断の危機に際し、ボブ・マーリィはワン・ラブとピースを掲げるコンサートを開催し、先の2大政党の党首2人、マイケル・マンリーとエドワード・シアガをステージの上に呼び込み、彼の頭の上でシェイク・ハンズさせました。

ボブ・マーリィならば、ジョー・バイデンとトランプを、習近平を同じステージに上げて、シェイク・ハンズさせることができるんじゃないだろうか。そんなことを思ってしまいます。

残念ながら、今この世にボブ・マーリィはいないけれど、彼の曲を聴き、リリックに耳をすませ、今こそワン・ラブを考えてみるべきだ。そんなことを思い、思い出させてくれた今回のPOP LIFE:The Pod Castでした。Jah Rastafari : )

分断の世紀だから、レゲエとボブ・マーリィを聴こう ―― POP LIFE:The Pod Cast「レゲエ回」

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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