週刊少年ジャンプは小学5年生のころから30年以上欠かさず読み続けている唯一の雑誌です。今、他に定期購読しているのは日経新聞ぐらいです。情報過多、インプット過多で隙間がない生活をしておりますが、そんな環境でもジャンプは止めずに読み続けています。
週刊少年ジャンプは「鬼滅の刃」のヒット前後から世間的にもプロップスを上げていて、ボクが大好きなポッドキャスト「POP LIFE:ThePodcast」でも取り上げられるぐらい。ジャンプ新世紀の作品たちは、生々しくグロテスクな表現や問題を取り上げることも多く、格差社会や気候変動への言及を感じることもある「時代のナラティブ」を表現する作品が多くなっていることがその背景だと感じています。
そんな週刊少年ジャンプの最新号(2021年2号)がとても良くて、複数の作品がハイライトシーンをむかえていたり、心に響くエピソードが語られていたり。ボク的に神号だと思ったので、その中でも印象的だった「チェンソーマン」「ドクターストーン」「ワンピース」の展開を記録しておきます。
チェンソーマン~カニバリズムで終わる最終回
藤本タツキ先生のチェンソーマンが最終回を迎えました。最後のページには「第1部完」とあったので、もしかしたら第2部があるのかな?上の画像にあるように、最終話のカラーページはまさかの食べ物コラージュ。主人公の「デンジ」が、最強の敵であり最愛の人でもあった支配の悪魔「マキマ」の肉体を自分で食べて消化するというエンディングに由来するページです。
これはなかなかに驚きのラストですが、藤本タツキの前作であり出世作である「ファイアパンチ」の第1話がカニバリズムではじまったことと対比して、チェンソーマンはカニバリズムで終わるという。作者がマンガに込める「何か」を考えさせられるエンディングになっています。また、最終話はデンジが自分の胸に宿す悪魔である「ポチタ」との会話で終わるという演出は、読者の期待・予想を裏切り続けたチェンソーマンのラストにして、読者の想いが叶った素敵な演出でした。
ワンピース~エースの影が見える「継承」の物語が続く
作者の尾田栄一郎先生も「作品全体を通して重要なエピソード」と言う、ワノ国編も佳境です。ワノ国編は主君「おでん」を倒した「カイドウ」と、その家臣に麦わら海賊団が加勢して20年越しの悲願を遂げるべく戦う「継承の物語」だとボクは理解して読んでいます。そんなエピソードの後半に、主人公「ルフィ」の義理の兄であり、頂上決戦で亡くなった「エース」の影が登場しました。
今回の話では、エースと同じ白ひげ海賊団であった「マルコ」が久々に戦いの場に登場し、活躍する場面も描かれています。おでんからの「継承」のエピソードでしたが、これからさらにエースからの「継承」もルフィが受け取り、人類にとっての厄災であるカイドウを打倒すのか。そんな期待に胸が膨らむ回でした。
ドクターストーン~人類と地球温暖化・気候変動に言及するエピソード
人類が石化してしまった未来の地球を、科学の力でサバイブするSFマンガの「ドクターストーン」です。我が家の小学5年生の息子も大好きで、かつ科学に興味が持てるよい作品だと妻も息子にすすめるマンガです。今回の話では、人類と地球温暖化・気候変動に言及するエピソードが挿入されていました。
石化によって人類の活動が止まることで地球の温暖化も止まるということ。それによって南米の海水が冷えると、地球の裏側の日本で雪が降るということ。その説明を聞き「地球まるごと繋がってるんだな!」というメッセージが発せられること。子どもたちにこそ、地球温暖化や気候変動の危機を知って欲しいと思っていますが、こうしたマンガがそのきっかけになることはとても価値があることです。「時代のナラティブ」を語ってくれるマンガです。
今号(2021年2号)の週刊少年ジャンプにはたくさんの刺激と気づきをもらいました : )
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