先週と今週のSpotifyのPodcast「POP LIFE:The Podcast」のテーマは歌謡曲でした。ボクが物心つくちょっと前の70年代~80年代の日本の音楽史。J-POPが生まれる前の音楽界についてです。「阿久悠」や「筒美京平」といった歌謡曲全盛期を支えた作曲家/編曲家についてや、当代きってのカリスマ「沢田研二」について。
POP LIFEを聴いて、その楽しみ方を知り。提供してくれているプレイリストで実際に聴いてみる。いずれも聴いたことがある耳障りの良い曲だけれど、今までは真剣に聴いたことはなかった。そんな曲たちです。特に良かったのが「沢田研二:勝手にしやがれ」「小林旭:熱き心に」「和田アキ子:あの鐘を鳴らすのはあなた」「尾崎紀世彦:また逢う日まで」「フィンガー5:恋のダイヤル6700」です。今までのように、また通り過ぎてしまわないように、個人的な今年の冬のプレイリストに加えました。通勤中とかにも聴いています (^^;)
そして、何よりも「キャンディーズ」。POP LIFEではタナソー(田中宗一郎)さんが折に触れてその魅力とストーリーを語ってくれていて、時おりストリーミングで聴いてみたりもしていたけれど、今回のエピソードで解散コンサートの音源を知り、その本当に魅力が分かり、興奮しています。
キャンディーズ:FINAL CARNIVAL
キャンディーズは解散を事務所に認めてもらえずに、3人で決めて、大人には話しせず、ゲリラ的にライブで涙の解散宣言「普通の女の子に戻りたい」を訴えたというエピソードが有名です。その半年後に開催されたのが、この解散コンサートです。大人たちと折り合いをつけて、解散宣言から半年間活動を続けてきて、それが終わる喜びと、やっぱり寂しさも爆発するライブです。ぜひ、最初から聴いてみてください。
最初の30分はソウル、ファンクの名曲のカバーを。キャンディーズのモデルと言われた、本家のスプリームスに並ぶぐらいファンキーに歌い上げ、めっちゃかっちょいい。そのあとは、キャンディーズの楽曲を、MCもたっぷり入れてファンと一緒に楽しく、愛おしむように唄います。唄も演奏も、MCでの彼女たちの絶叫も、ファンの歓声も。当時のあまり良くない機材環境での録音によって、それらがすべてない交ぜになって、耳に押し寄せてきます。
聴こえてくる音のすべてが彼女たちを応援しているような。そして、聴く人たちを奮い立たせてくれるような、そんなライブ・アルバムです。現代なら、テイラー・スウィフトやケイティ・ペリーのような、女性の強さが伝わってくるパフォーマンスです。
オリジナル曲では「微笑がえし」がいいですね。彼女たちのラストシングルであり、意外にも唯一チャートで1位を獲得した曲です。解散を前提としていて、その最後の曲であることを関係者みんなが理解し、最高のラストになるように力を合わせて作った様子が伺えます。
音楽はキャンディーズのモデルであった、海外のソウルやR&Bのメロディを取り入れて。リリックは彼女たちが唄ってきた歌の曲名や歌詞を引用し散りばめて、「3」という数字と別れのシーンをメタファーとして使い、明るいけれどグっとくる一曲です。タイトルの微笑がえしのように、悲しいけれど笑顔で別れられるように努力するような、そんな歌です。そして、この歌も解散コンサートの音源で聴くのが一番良いと思います。
いろいろ大変だった2020年ももう1ヶ月を切りました。そんな一年を、このキャンディーズで締めくくるのも良いのではないかと。そのぐらいに、彼女たちの音楽と物語に奮い立たされました : )
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