ボクの革靴のラインナップの中では、まだまだ新米のウィリアムくんですが、なかなかに不運が続く個性を持っており、履き下ろしてから他の靴ではないぐらい複数の傷をつけてしまっていました。
最初の傷は緊急事態宣言が明けて、新しい生活様式での勤務がはじまった頃。社内で常時開け放している非常階段の扉をすり抜けようとしたときに扉の角に靴をひっかけてしまい、目立つひっかき傷を作ってしまいました。
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そしてつい先日。池袋のサンシャインシネマに「TENET テネット」を観に行ったときに、映画館の外観に掲げられたモニターを見上げながら夜の街を歩いていて、縁石につま先をぶつけてしまい傷をつけてしまいました。1つ目の傷はなんとか自分でメンテナンスすることでカバーしようと手入れを続けていましたが、2つ目の傷で心折れてプロにお願いしようと、行ってきました。
プロのメンテナンスの結果と、履き下ろしてから1年弱で30回ほど履いたエイジング(経年変化)の記録を残しておきます。
パラブーツ ウィリアム(Paraboot William)~プロのメンテナンス前後の傷の様子
メンテナンスをお願いしたのは、職場の近くに8月末にオープンしたばかりの「FANS.新橋店」です。傷の状態を見てもらったところ、通常の靴磨きメニューの延長の「プレミアムケア(1,650円)」で大丈夫でしょう。ということで、その場で20分ほどで仕上げてくれるとのこと。期待を込めて、お願いしました。
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1つ目の傷、左足の側面につけてしまったひっかき傷のメンテナンス前後の状態です。よくよく目を凝らして見ないとわからないぐらいの状態にまで仕上げていただきました。表面の凹凸は少し残りますが、色味は完全に周囲と同化しています。
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2つ目の傷、右足のつま先につけてしまったひっかき傷のメンテナンス前後の状態です。まだ新鮮な状態(?)の傷でしたが、こちらは跡形も見えない状態です。感謝です。1つ目の傷も自分でどうにかしようと思わずに、すぐにプロにお任せしていればよかったのかもしれません。ちょっと反省です。
さて、可哀そうなウィリアムくんの不幸な状態を払拭できたところで、およそ1年履いてきてのエイジング(経年変化)の様子を購入当初と比較しながら確認します。
パラブーツ ウィリアム(Paraboot William)~購入当初と1年後の表情の比較
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まずは全体観から。左が購入当時、右が1年後後の表情です。購入当初はツルリとした革の表情でしたが、1年後は良いシワ、良い色ムラが出ています。パラブーツのリスレザーの茶靴は本当に磨き甲斐があって、相性が抜群だと思っているエム・モゥブレイの「クリームナチュラーレ」を塗り込んで丁寧にブラッシングすると、華美ではない上品な光沢が生まれます。
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トゥの部分のアップです。左右ともにキャップトゥのステッチの手前と、ストラップの手間に大きく2本の履きジワが刻まれています。少し前まではキャップトゥに噛まれて、左足の親指の付け根から頻繁に出血していましたが、今はほとんどそんなこともなく折り合いがついてきました。
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横顔です。これまでは目立っていたひっかき傷が、この距離・この角度からの写真では全く目立たなくなりました。安心して履き込めて、これからの更なるエイジングがより楽しみになりました。
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踵です。チラホラと傷や色ムラが見られますが、エニウェイ。味として許容できる範囲です。トップリフトの消耗も、この角度からはほとんど感じられません。パラブーツオリジナルのマルシェ2ソールの強靭さがうかがえます。
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ソールです。前述のマルシェ2ソールの全景です。よく見ると、左右ともにソール外側の溝のすり減りが見て取れます。ボクの歩き方はソールの外側に負担を掛けるようです。ガニ股ということですかね。歩行にも見た目にもまったく問題ないレベルですので、まだまだOKです。
ということで、不運が続いた「パラブーツ ウィリアム」のメンテナンスとエイジングの様子の記録でした。手間がかかる子どもや後輩ほどかわいいと思う。なんて言いますが、これまでつけてきた傷にモヤモヤすることも多かったけど、すっきりと解消されてより愛着が沸く1足になりました。これからも愛情込めて履いていきます : )
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