購入して8か月、31回ほど履いたオールデン(Alden)のコードバンローファー #986のエイジング(経年変化)の記録です。
今回は履きジワと、履きジワによる色落ちを解消するべく、レザースティックを使って念入りにメンテナンスした結果の記録です。お手入れをして気付いたことは、色落ちだと思っていた部分は、コードバンの毛羽立ちが原因だということ。レザースティックでグリグリと擦って毛羽立ちを抑えることで、シワが消えて光り輝く表情に戻すことができました。つくづくコードバンは、お手入れしがいのある楽しい革です。そんな様子をぜひご覧ください。
オールデン コードバンローファー #986(Alden)―― メンテナンス方法と結果
バーガンディカラーのコードバンローファーは以下のようにお手入れしています。
- 馬毛のブラシでホコリを落とす
- ステインリムーバーで汚れを落とす
- リッチデリケートクリームで保革する
- レザースティックにクリームナチュラーレをつけてシワが付いた部分を擦る
- 全体にバーガンディのクリームナチュラーレを塗布して補色する
- 馬毛のブラシでブラッシングしてクリームを馴染ませる
今回特に念入りに手を入れたのは以下の履きジワの部分です。
アッパーのサドルの手前とサイドに大きく履きジワが入り、その部分は白く退色しているように見えます。ここが実は色落ちではなく、コードバンの毛羽立ちが原因によるものでした。ここをレザースティックで擦っていきます。
レザースティックに少しクリームナチュラーレをのせて、シワを伸ばすイメージでゴシゴシと革を擦っていきます。コードバンのメンテナンスで良く使われる「アビィ・レザースティック」を使うのが理想なのでしょうが、ボクは安価な牛角のかっさ棒を代用しています。
レザースティックで擦る前と後を比較します。左がお手入れ前、右がお手入れ後です。効果はてきめんです。シワはなくなり、色落ちも目立たなくなりました。コードバンのメンテナンスには、このひと手間が重要なことが良く分かりました。この変化がとても楽しい。では、その他の部位も含めて、購入当初からの変化を確認します。
オールデン コードバンローファー #986(Alden)―― 8ヶ月後の表情
最初に全体観から。左が購入当初、右が8ヶ月履いた後の表情です。当初はピカピカで無機質な印象を受ける革質でしたが、8ヶ月経ってしっとりと底光りするような革質に変化しています。柔らかさや優しさを感じる表情で、今の顔つきの方が当初よりもずっと好みです。
次にアッパーに近づいて見てみます。前述のレザースティックによるメンテナンスのおかげで、深い履きジワは見えません。でも、大きく波打つような陰影ができて愛くるしい表情です。レザースティックの使いどころでこうしてシワの入り方をコントロールもできて、少しずつ変化を楽しめるような気がしてきました。
横顔です。あまり変化を感じない確度です。今回のお手入れ前までは、トゥの周辺に横から見ても履きジワが見て取れて、それはそれで他の靴にはない変化で楽しかったのですが、レザースティックによる手入れでこの部分のシワも目立たなくなりました。
かかと側からヒールを見てみます。革には大きな変化はありませんが、トップリフトの削れが少し気になるレベルになってきました。革のメンテナンスは今回のやり方で大分コツが掴めてきたので、検討するのはトップリフトやソールの扱いですね。もうしばらく様子を見ながら履いて、その後はプロに相談してみようと思います。
ソールの変化です。ソールは2ヶ月に1回程度、ソールモイスチャーでお手入れをしています。これまで所有していたレザーソールの靴は、削れたらさっさとハーフラバーを貼ったり、ラバーソールにオールソールしちゃったりしていたのですが、このオールデンはレザーソールのまま履き続けたいと考えています。前述の通り、プロに相談しながら進めてみます。
以上、8ヶ月履いたオールデン(Alden)のコードバンローファー #986の現在の表情でした。繰り返しになりますが、コードバンは、お手入れしがいのある楽しい革です。大切に履いていきます : )
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