1973年、クリス・ブラックウェルとの出会いを得て、彼の主催するアイランド・レコードからのファーストアルバム『キャッチ・ア・ファイア』が発売されます。ボブがはじめて世に放ったこのアルバムは、レゲエを新たな領域へと送りこむ役割を果たします。
それ以前のレゲエは、シングル盤もしくは安っぽいコンピレーション・アルバムとして売り出されるのが普通でした。ザ・ウェイラーズの『キャッチ・ア・ファイア』は、そのすべての概念を打ち破ります。
ジャケットの表紙は丁寧に作られ、熱心にプロモートされました。その作品はまた、国際的な名誉と認識を獲得する長い道のりの始まりでもありました。何年か後に、レゲエのダブ・ポエット(DJ)「リントン・ジョンソン」は『キャッチ・ア・ファイア』について次のように語ります。
ジャマイカの音楽に全く新しいスタイルが現れた。
それは、今までとは違う性格の異質なサウンド。。
私には、インターナショナル・レゲエとしか言いようがない。
いろいろな要素を国際的なポピュラー音楽から取り入れている。
ロック、ソウル、ブルース、そしてファンクからだ。
これらの要素が国際的なマーケットの突破を果たしたんだ。
アルバムは世界的に激賞され、レゲエがロックへの挑戦であることが立証されました。それはボブの力強いダンス・リズムと闘争的な歌詞で表現する姿勢が、これまで主流だった過激なロックとは対照的であったからです。
ボブは『キャッチ・ア・ファイア』によって確実に世界の人々のその心に火を灯したのでした。
Reaction♪♪♪
Talking about reaction yeah! yeah! yeah!
Talking about attraction yeah! yeah! yeah!Said I’m rocking you yeah! yeah! yeah!
Movin’ movin’ movin’ movin’ yeah! yeah! yeah!
From shantytown yeah! yeah! yeah!Rockin’ rockin’ rockin’ rockin’ yeah! yeah! yeah!
Shockin’ shockin’ shockin’ shockin’ yeah! yeah! yeah!
Movin’ movin’ movin’ movin’ yeah! yeah! yeah!
Walkin’ walkin’ walkin’walkin’ yeah! yeah! yeah!Every little action yeah! yeah! yeah!
There’s reaction yeah! yeah! yeah!
You don’t give that soul no! no! no!
You don’t give that soul no! no! no!
To every little action yeah! yeah! yeah!
There’s a reaction yeah! yeah! yeah!
リアクション♪♪♪
リアクションについて話をしよう
魅力について話をしようオレがオマエをロックさせてやる
さあ、行こう! このシャンティ・タウンから揺れる 揺れる 揺れる 揺れる
激しく 激しく 激しく 激しく
動く 動く 動く 動く
歩く 歩く 歩く 歩くいいかい どんな小さな行動にも
必ず反動がある
けっして魂を売っちゃいけない
けっして魂を売っちゃいけない
いいか どんな小さな行為にも
必ず反応がある
※訳文は筆者の勝手な解釈を含みます。ご了承ください。
その名の通り、『キャッチ・ア・ファイア』によって大衆に火を放ったボブは、ほどなく次のアルバム『バーニン』を世に送り出します。
この『バーニン』におさめられている「アイ・ショット・ザ・シェリフ」はエリック・クラプトンによってカヴァーされ、アメリカ、イギリス、ドイツのチャートで大成功を収め、レゲエバイブレーションのさらなる広がりに大きな影響を与えることになります。
『キャッチ・ア・ファイア』によってボブが人々の心に放った火種は、この『バーニン』によって低木地帯に燃え上がった炎になり、その勢いは衰えることなく燃え上がるのでした。
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