ジャマイカのリアルを唄い、ボブとザ・ウェイリング・ウェイラーズは着実にジャマイカでの地位を築きます。その一方で、ジャマイカの社会情勢は厳しさを増していきます。
政党と政党との抗争、バビロンシステムに属する人間は銃を持ち殺し合いを続けます。ボブはそんな現実を嘆き、救いの詩を唄いつづけます。誰もが無視できない現実を唄ったボブの詩は、何ももたざる人々への影響力を日に日に高めていきます。
いずれボブのその影響力は、権力者たちから恐れるようになります。少しでも彼らにとって危険な思想を持つボブの詩は、ラジオで流すことを禁じられ、それだけでなくボブたち自身の身にも危険が及ぶようになりました。ジャマイカのリアルを唄う。ただ、それだけなのに。
このような状況の中で、ボブとザ・ウェイリング・ウェイラーズ、そして彼らを取り巻く仲間たちは、自らの生命は自ら守るという決意を強めていきます。そこには彼らなりのモラルがありました。それは社会の現状に対して挑む個人的な革命です。
彼らの姿勢はルード・ボーイ的文化と呼ばれ、その主導権を握っていたのは、いうまでもなくザ・ウェイリング・ウェイラーズでした。後にレゲエの英雄ジミー・クリフ主演によって映画化されるほどの文化となるルード・ボーイたちはこの時誕生しました。
トレンチタウンの怒り恐れる若者たちは、先導者たるザ・ウェイリング・ウェイラーズを得て、自分なりのモラルや思想をもつレベル(反逆者)に成長を遂げるのです。
Rebel Music♪♪♪
I… rebel music
I… rebel musicWhy can’t we roam this open country
Oh why can’t we be what we want to be
We want to be free3 o’clock-roadblock, curfew
And I’ve got to throw away
Yes I’ve got to throw away
Yes I’ve got to throw away
My little herb stalkI… rebel music
I… rebel musicTake my soul and suss me out
Check my life if I am in doubt3 o’clock-roadblock
And hey Mr. Cop, ain’t got no -What you say down there-
Ain’t got no birth certificate on me now
反逆の音楽♪♪♪
オレは反逆の音楽だ
オレは反逆の音楽だこの広い野山をなぜ自由に歩いてはいけないんだ
なぜ好きに生きられないんだ
オレ達はただ自由になりたいだけ午前3時の道路封鎖 検問だ
ちきしょう 捨てなきゃならない
奴らに見つかる前に
捨てなきゃならない
オレの大事なハーブ・ストックオレの武器は音楽さ
オレの武器は音楽さオレの魂を取り出して見てみるがいい
疑うのなら 徹底的にやってくれ午前3時の道路封鎖 検問だ
おまわりさんよ なにも持ってないさ -なんだって おい-
身分証明書なんて 今 持っちゃいないさ
※訳文は筆者の勝手な解釈を含みます。ご了承ください。
どこにいても疑われる、なにをしても疑われる
有名になることの代償にボブはわずかな自由さえ奪われてしまいます。でも、この時期のボブにこそ、彼の人生の中で最もいきいきとしたアティテュードを感じずにはいられません。
悩みや苛立ちを常に感じていたボブです。その苦しみのすべてを自分で背負っていたボブです。しかし、この時期のボブはそのすべてを外に発信しています。
やるならやってやるさ。オレは魂の反逆者だ!
そんなボブの声が聞こえてきそうです。信頼できる仲間ができました。守るべき人ができました。ついてくる人々ができました。
ブラザー達よ、そろそろ始めよう。ユナイトしよう!恐れることはないさ
始まりの予感。ルード・ボーイの鼓動。徐々に強まるバビロンシステムからの締め付けに対し、ボブはさらに強く、熱く唄いつづけるのでした。
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