次々と増えていく革靴に止めを打とうと、最後と決めてオールデン(Alden)のペニーローファー/#986を購入しました。
今まで躊躇していたコードバン素材のペニーローファーです。水に弱くかつ高価な革靴なので、手に入れても履く機会を躊躇しちゃうのでは、、と手を出さずにいましたが、ずっと好意は持っていて。そんな取り扱いが難しい高値の花を最後の一足と決めて、エイジング(経年変化)と手入れを楽しみながら永く履いていきたいと思います。
変化の様子をしっかり記録しておくために、最初のアンボックスからプレメンテ、履きおろしの記録を残しておきます。
オールデン #986(Alden)~開封と同梱物の記録
威風堂々たるオールデンの外箱です。シックなダークグリーンのボックスに金色に輝くロゴと大きく主張するロゴタイプ。宝箱を開けるような気持ちで上蓋を開きます。
同梱物を並べてご対面です。本体に加えて、布製のシューケースが2つ。それから、コードバンを作ったホーウィン社のガイドブックが同梱されています。革のナラティブまで可視化してくれる、所有する喜びを増幅させてくれる演出がきいています。
開封したての生の状態をしばし堪能した後、プレメンテに移ります。
オールデン #986(Alden)~プレメンテの記録
オールデン/コードバンはプレメンテしてから履きおろします。パラブーツの油分がたっぷり詰まったリスレザーはブルーム(白い粉)をブラッシングして革内に戻してあげるだけで履きはじめますが、コードバンはそのままだとツルりとして固い印象なので、良い履きジワが入るようにクリームを塗り、水分と油分を入れて革の柔らかくします。
プレメンテは以下の道具と手順で進めていきます。
- 馬毛のブラシで全体(ソールも)のホコリを落とす
- ステインリムーバーで全体(ソールも)の汚れを落とす
- ソールモイスチャライザーでソールを保革する
- レザースティックでソールを擦り毛羽立ちを抑える
- リッチデリケートクリームでアッパーを保革する
- アッパーにバーガンディのクリームナチュラーレを塗布して補色する
- 馬毛のブラシでアッパーをブラッシングしてクリームを馴染ませる
ソールモイスチャライザ-でのソールの保革です。ボクの革靴のラインナップはラバーソールが中心ですが、数少ないレザーソールの手入れは今までは手元にあったミンクオイルで済ませていました。今回ははじめてレザーソール用のクリームを手配して行います。ソールやトゥの扱いは、ハーフラバーやトゥスチールを付ける、付けない。の論争がありますが、ボクは両者ともになしで。この裸の状態のまま履き進める方針でいきます。
補色のためのカラークリームは、信頼しているM.モウブレィのクリームナチュラーレです。バーガンディは持っていなかったので新調しました。想像以上に赤くて戸惑いますが、きっと大丈夫でしょう。塗り込んで丁寧にブラッシングすると、穏やかに美しい光沢が浮かんでくるシュークリームです。
オールデン #986(Alden)~プレメンテ後の表情の記録
プレメンテが完了したので、履きはじめる前に購入当初の表情を残しておきます。まずは全体観から。素直な感想を言うと、履きジワが入るまえのコードバンの革靴の表情は無機質であまり魅力的には感じられません。今まで何度も店頭でコードバンの革靴を物色しましたが、いつもそんな風に感じていました。プレメンテ後もその印象はあまり変わりません。ツルリと乾いた表情です。
と思いつつも、ちょっとツンとした高嶺の花な革靴に、自分だけの履きジワを刻んでいくことが醍醐味で、楽しいところなんだろうなと考えています。
つま先からサドルまで、アッパーのアップの写真を残しておきます。エイジングによって一番変化が見られる部分です。後述しますが、コードバンシューズの履きはじめの儀式として「シワ入れ」をする方も多いけど、ボクはシワ入れせずに履くことで自然な履きジワを楽しむ方針にしました。ここに大きくうねった履きジワが刻まれていくことを期待しています。
横顔です。この角度からもアッパーの履きジワの変化が見て取れそうです。加えて、ハーフラバーも貼らないレザーソールの反り返りの様子などもこの角度から見ていけるかもと期待しています。
踵です。アウトソールの消耗具合などを定期的に確認していきます。バーガンディのこの革靴はエイジングによる退色も楽しみな点ですが、踵は色落ちが少ないのではと思っています。色の変化のコントラストもこの角度から確認していきます。
ソールは購入当初とプレメンテ後の両方の写真を掲載しつつ、以後エイジングによる変化を確認する時には購入当初の写真と比較していきます。オールデン社とホーウィン社の焼印が愛おしいレザーソールですが、あっという間に消耗しちゃう部分ですね。せめてソールモイスチャライザーでしっかり手入れを継続して、すり減るペースを抑えていきたいです。トゥやステッチ、トップリフトのダメージを定期的に確認していきます。
オールデン #986(Alden)~シワ入れの記録
コードバンシューズは大きくうねった美しい履きジワが最大の特長です。なので自分の意図した履きジワを刻むために、道標としてペン等をアッパーに当ててグっと靴を折り曲げることで最初のシワを刻む「シワ入れの儀式」をしてから履きはじめる人が多いです。その方法やプロセスにもめっちゃ興味があるのですが、前述した通り、ボクはあえてシワ入れせずに履いていくことに決めました。
左右非対称になっちゃうけど、ボクの足や歩き方にそった自然な履きジワが刻まれていくように、まずは家の近所へのお買い物に15分ほど履いて最初のシワを刻みました。それがボクなりの「シワ入れの儀式」としました。
ということで、履きおろし後のオールデン#986です。まだ変化はわからないですね。ゆっくり履き込んでいきます。それから、履きおろし時はフットカバーの上からだったのですが、踵が浮いてしまう場面がそれなりにありました。カーフレザーに比べて伸びないというコードバンレザーのオピニオンを聞いて、ぎちぎちタイトなサイズではなくきつくないジャストなサイズ(7.5D)を選びましたが、ちょっと調整が必要かな。と感じています。
シューケア店に伺って、店員さんのリコメンドを受けつつタンパッドやインソールでサイズ調整したいと考えています。止めの一足を楽しく気持ちよく履いていけるように準備します。最後に、止めということで記念撮影しました。
愛すべき革靴たち。今回、コードバン素材、バーガンディカラーのローファーを加えて、今のボクのライフスタイルには不足するものがない万全のラインナップになりました。10年、20年とこの革靴たちと一緒に過ごしていきます : )
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