パラブーツのリスレザーはそれが本来もつ強靭な革質と美しさをなるべく永く味わうために、履きおろしから当分の間はシュークリームは入れずにブラッシングのみでお手入れするのがボクの方針で履き方です。
先月手に入れた「パラブーツ ウィリアム(Paraboot William)」も、当然その方針に従ってメンテナンスしながら履いていくつもりでいました。が、先日会社の年末恒例の立食パーティに履いていったところ、隣で飲んでいた先輩がドリンクを床にこぼした際にそのしずくが飛んでしまいシミになってしまいました。
つま先についているテカテカと光った粒がその痕です。ドリンクに含まれていた糖分が乾いて固まった痕だと思います。ブラッシングだけでは取り切れなかったため、不本意ですが4回履いたところでステインリムーバーを使ってクリーニングと、クリームを入れてメンテナンスしたので、その過程を記録しておきます。
パラブーツ ウィリアム(Paraboot William)初メンテナンスの方法
パラブーツ/ウィリアムの初メンテナンスの方法は悩みつつ、以下の道具と手順で行いました。
- 馬毛のブラシで全体のホコリを落とす
- ステインリムーバーをクロスにしみ込ませて表面をクルクルと撫でるように汚れを落とす
- リッチデリケートクリームをペネトレイトブラシで塗布して保湿する
- クリームナチュラーレ(ミディアムブラウン)をペネトレイトブラシで塗布して補色する
- 馬毛のブラシでブラッシングしてクリームを馴染ませる
悩んだ点はシュークリームの色ですが、パラブーツ/シャンボードのマロンカラーと同じクリームナチュラーレのミディアムブラウンを使いました。このウィリアムのカフェカラーのどんずばはダークブラウンなのですが、薄目のブラウンを使うことで少しでももともと持っている色をそのまま活かせるようにという配慮です。
仕上りの様子を購入当初と比較して見てみます。
パラブーツ ウィリアム(Paraboot William)購入当初と初メンテナンス後の表情の比較
まずは全体観から。左が購入当時、右が初メンテナンス後の表情です。シャンボードで実感していますが、リスレザーとクリームナチュラーレの相性は抜群で、塗布後に丁寧にブラッシングすると品のよい光沢が出てきます。このウィリアムもしっとりと輝きを放ちました。不本意な初メンテナンスでしたが、結果オーライです。
次にアッパーを近くで撮影した写真で比較します。明らかにお手入れ前とは違う光り方になりました。うっすらとですが、4回の着用でキャップトゥのステッチ周辺に履きジワも見てとれます。ついてしまったシミはしっかり取れています。
横顔です。メンテナンス後の方が陰影がはっきりしています。ヒールカップ周辺の光り方が印象的です。やはりキャップトゥの手前の履きジワがよい表情の変化として目立ちます。
後ろ側、かかとからの表情を見てみます。ここはまだまだですね。ヒールもソールも変化はほぼなしです。しっかりとした力強い表情のままです。
アウトソールの比較です。よくよく見ると、つま先とトップリフトの凹凸が平らになってすでに若干削れてきているようです。とはいえ、強靭でぶ厚いパラブーツのマルシェ2ソールです。この程度は気にせずに履いていきます。
ということで、履き下ろして4回目で不本意な初メンテナンスとなってしまいました。リスレザーの本来の美しさをなるべく永く味わうという目的は叶いませんでしたが、メンテナンス後の表情には満足しています。好きな靴なので、たくさん履けば思わぬトラブルにも見舞われると思いますが、しっかりお手入れしつつ永く履いていきます : )
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