2019年は田中宗一郎(タナソー)さんのポッドキャスト「PopLife:ThePodcast」に触発されて、2011年以来、8年ぶりに音楽熱が戻ってきた1年でした。
ヒップホップ・ラップを中心に聴いてきて、ポスト・マローン、ヤング・サグ、トラヴィス・スコット、チャンズ・ザ・ラッパーなど、良い音楽と出会うことができました。そうそう、今まで躊躇してきたサブスクリプションの契約を、悩みつつ「Amazon Music Unlimited」に決めて契約しました。
そんな風に改めて音楽に、でもこれまでとは違うストリーミングを経由して触れてきて。今年1番にすごかった音楽は年末に出会った小沢健二の楽曲でした。小沢健二が輝いていた1994年~96年にちょうどボクは高校生で、渋谷系というカジュアルで柔らかいスタイルに憧れてよく聴いて、刺激を受けていました。
そんな彼が13年ぶりに発表したオリジナルアルバム「So kakkoii 宇宙」の中から「彗星」と「流動体について」。この2曲。2010年代にはほとんど世の中に姿を現さず、2010年代の最後の2019年に突然現れて彼が残したリリックが衝撃的に心に残るものになったので、2019年の年末に記録しておきます。
小沢健二の「彗星」と「流動体について」
そして時は2020 全力疾走してきたよね
小沢健二が2019年に発表したアルバム「So kakkoii 宇宙」は「彗星」のこの一節からはじまります。確実に2010年代の終わりと2020年代のはじまりを意識したオープニングです。彼はこれまでの2000年代をこう唄います。
2000年代を嘘が覆い イメージの偽装が横行する
みんな一緒に騙される (笑)
だけど幻想はいつも崩れる 真実はだんだんと勝利する
時間かかってもね
よくない方向へ向かってきた2000年代と、でもそれらを隠すための嘘や偽装が崩れていき真実へと行き着く。少しずつ良い方向にベクトルが変わるような、そんな予感を感じさせてくれるリリックです。そして、続く「流動体について」ではこう唄います。
もしも間違いに気が付くことがなかったのなら?
並行する世界の僕はどこらへんで暮らしているのかな
広げた地下鉄の地図を隅々まで見てみるけど神の手の中にあるのなら その時々にできることは
宇宙の中で良いことを決意するぐらい・・・
無限の海は広く深く でもそれほどの怖さはない
宇宙の中で良いことを決意する時に
小沢健二は世界は間違いに気づいたと唄っている。きっとこの2019年により濃く表面化された気候変動や格差社会や世代間闘争などの社会課題について。そして彼は、今できることは「宇宙の中で良いことを決意することぐらい」と唄っている。それは怖いことではないよ。とも。
このメッセージを伝えるために2019年に表舞台に戻ってきたのか思うと、胸が震えます。ボクがこの1年で気づいたこと、決意したことはモノづくりのマーケティングに社会課題に対する一手を加えて思考すること。そんな気づきの背中を押してくれたリリックです。
2019年の音楽はこの1枚のこの2曲。13年ぶりの小沢健二も大きな刺激を与えてくれました : )
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