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消費者をターゲッティングしていたら、価値の共創なんてできやしない|コ・イノベーション経営

コ・イノベーション経営: 価値共創の未来に向けては、企業と顧客による共創体験、事業や商品開発。それを超えた、イノベーションを共に体験するビジネスの事例が詰まった本です。



コ・イノベーション経営の原書はプラハラードによって2004年に書かれていますが、その時にすでに、キュレーション機能とニュース(新聞)のパーソナライズされた情報提供の必要性を言及しています。

『ロサンゼルス・タイムズ』のモバイルサイトは(中略)そこでのねらいは、各人にふさわしい経験環境を作り出すだけにとどまらない。場所や時間が変わり、新しいイベントが起きるのに伴って、個人の嗜好は変化するため、その変化に対応しようというのだ。多彩な消費者に向けて、真にパーソナル化された共創経験を楽しめるような環境経験を設計するのは、決して些細な仕事ではない

プラハラードは「カスタマイゼーション」と「パーソナル化」を明確に分けて定義しています。

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『その人だけの経験』や『(1回限りではなく)経験とのかかわり合いのパーソナル化』あたりは、自分の趣味・関心とそれに加えて「いいね!」やクリックなどのアクションも反映されていき、よりパーソナル化されているキュレーションメディアの特長を言い当てています。

そんなプラハラードさんの言葉で、マーケティングに関わるものとしてドキリとさせられた一節があります。

企業は昨今、従来の市場セグメントよりも複雑で捉えどころのない多様性(この多様性はかかわり合いを通して見えてくる)と向き合わなくてはならない。「セグメント・オブ・ワン」という発想を身につけただけでは、その道のりの一部を進んだにすぎない。セグメント・オブ・ワンと言うとき、マネジャーたちは消費者をマーケティングの標的と見なしている。この消費者に製品やサービスを売るのだ。当社のシステムを知ってほしい。メニューによる製品構成の変更を可能にしたり、特別割引を提供したりしよう。しかし、消費者との価値共創に積極的に取り組んだりはしない

コトラーさんは自身の「STP理論」を否定して、現在はセグメントできる市場がなくなったと言い、ここでプラハラードさんはセグメントによる標的(ターゲッティング)は、消費者と共創する準備に至っていないことを示唆しています。

聞き上手になろう。生活者の行動を観察しよう。という取り組みをしているので、ターゲットやセグメントなんていう言葉の使い方には注意しないと。と思わせる一節でした。

Photo by Viviana Calderón