やった。【WBC】

こういう感動的な試合ができるのは、やっぱり胸と背中に「JAPAN」の5文字を背負っているからなんだろうな。 そう思わずにはいられない、今日の勝利。


【WBC】ワールドカップベースボール
準決勝戦

「韓国」VS「日本」
0  VS  6

イチロー例えば前の試合までスランプが続いていた「福留」が、代打で出てきて先制の2ランホームランを打つ。例えば前の打席で送りバンドを決められず、良い流れを断ち切ってしまった「多村」が次の打席でホームランを打つ。

じゃなくても、国際試合20戦無敗の「上原」がきっちりと7回までを無失点に抑える。ラッキーボーイの「里崎」が追加点のタイムリーを打つ。4番の「松中」が先制のきっかけとなるツーベースヒットを打つ。抑えのエース「大塚」がきっちりと最終回を抑える。「イチロー」が猛打賞を打つ。

これまでの失敗を挽回できた選手。期待通りの活躍を見せた選手。

今日の試合では、悪い結果で終わってしまった選手が誰もいなかった。みんながベストプレーで、最高の形で、勝利を収めることができた。今日の試合で特に痺れたシーンが2つ。

ひとつ。「福留」の代打ツーランホームラン。

先制のチャンスを何度も逃していた日本。例えば理想的な形でイチローが先頭バッターで出塁して、盗塁を決め、ノーアウト二塁のチャンスを逃して。例えばヒット性の当たりをライトの「イ・ジンヨン」や、ショートの「パク・ジンマン」が好守で抑える。ヒット性の当たりが正面を突いて、ダブルプレーに討ち取られる。

そんな嫌な流れそのままに、その回も主砲「松中」が作ったノーアウト二塁のチャンスに「多村」が送りバンド失敗。三振。と重い空気が流れる。

これまでの韓国戦もそうだった。攻めている日本。ガマンを続ける韓国。そして魔の8回に韓国が試合を決める。野球は”流れ”が大切なスポーツ。”流れ”によって結果が全然変わってくるスポーツ。それがすんごく感じられて、また野球の魅力を再発見できたこのWBC。

チーム戦だけど、その中でも一対一の場面がたくさんあるからかな。
1球や一振りで、大きな得点になってしまうことがあるからかな。

野球は本当に”流れ”が大事だ。
そのラッキーセブンも、日本の”流れ”は悪い方に傾きかけた。

“流れ”を変える手段。それがたくさんあるのも野球の面白いところ。その中でも1番分かりやすい手法。選手交代。王監督は不振の「福留」を代打に送ることを決めた。

少しうつむき加減の「福留」。ポーカーフェイスの彼が、今日は唇を噛む表情がとても印象的だった。少しの緊張と悲壮感が感じられた。だからこそ、よかった。「福留」がホームランを打ててよかった。一塁を回りきらないまでに、すでに喜びを爆発させて。ガッツポーズを作る「福留」。代打が流れを引き寄せ、ホームランによって流れを変えた。

そこからは正に日本の真骨頂。打順がやってくる打者が自分の強みを発揮して、代打に送られる打者はその期待に応える。あっという間の5得点。小さい頃から野球を観て育ったボクも、この1イニングと、「福留」の代打ホームランは今までにない素晴らしい1イニング。

もうひとつ。7回裏の「上原」。

巨人の「上原」は好きでない。これはボクの勝手な想い。

だけど、今日の7回裏の躍動感溢れるセンシティブな「上原」を観て、ボクはルーキーイヤーの「上原」を思い出し、感動した。派手なガッツポーズもむき出しのファイティングスピリッツも、今日の「上原」なら不自然ではない。勝手なイメージだけど、巨人の「上原」には”魅せている”っていう印象を感じ取ってしまうから。

今日は違った。

ふと思い出した「上原」のルーキーイヤー。1999年。
彼が20勝をあげた年。そして、マウンド上で泣いた年。

その年は「上原」の最多勝とともに「松井」もホームラン王を争っていて。相手はヤクルト「ペタジーニ」。巨人ベンチは「上原」に敬遠のサインを出す。「ペタジーニ」にホームランを打つ機会さえ与えないために。

ルーキーの「上原」はベンチの指示に抗うことなどできるはずもなく、キャッチャーを立たせてボール球を投げる。勝負しても、必ず『勝てる』という強い信念を持ちながらも。そしてフォアボールで一塁まで歩く「ペタジーニ」。「上原」はその姿を見つめることができずセンターバックスクリーンの方向に向き直りながら、マウンドを軽く蹴る。帽子を深く被りなおす。涙を隠すために。

打たれたのがではなくて、逃げたことが悔しくてマウンド上で涙を流すルーキーピッチャーに、ボクは感動した。あぁ、なんてセンシティブなピッチャーなんだ。

今日の「上原」はルーキーの頃を思い出してしまうくらい、センシティブなピッチャーだった。とても良い試合だった。

きっと決勝戦も「キューバ」に勝ってくれるだろう。

イチローじゃないけど、「日本」にはなにかがついているいるような気がする。

それから、こんな感動的な試合を観ていて「松井」や「井口」「城島」は少し悔しがっているんじゃないかな?あぁ、オレも出たい。断らなきゃよかったって。そうだったらいいな。だったら次回のWBCは日本もアメリカも、辞退する選手なんかいなくて、もっともっとレベルの高い、そして感動する大会になるだろう。

やった。【WBC】

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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