2020年の音楽―――COVID-19とラップとフィーメイルとおじさんのパワー

年の瀬なので、2020年の音楽についてまとめます。

今年発表された曲から、ベスト5の曲と3枚のアルバムを選び。それから、過去の作品も含めてボクの今年の気分に合い、良く聴いた3曲も選んでみました。このブログでも何度も言っていますが、2010年代が終わり、2020年代という新しいディケイドのはじまりだった今年は、高度な情報化社会になってからの人類が今までに経験したことがない、COVID-19のパンデミックからはじまりました。

COVID-19によって、これまで着々と歩んできたグローバル資本主義経済社会が崩壊し、国ごと、都市ごとのロックダウンによるナショナリズムの管理社会を経験することにもなりました。生活も政治も経済も雰囲気も、起伏が激しい1年の気分を表象する作品たちが選ばれたと思います。以下に、簡単なプレイリストも作ったので、よろしければ聴きながら見てもらえたらうれしいです。

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2020年の音楽

Best 5 Songs ――― 2020年の曲

  1. The Plan ――― トラヴィス・スコット
  2. exile ――― テイラー・スウィフト feat.ボン・イヴェール
  3. 感電 ――― 米津玄師
  4. Forever Young ――― スチャダラパーからのライムスター
  5. Free Woman ――― レディ・ガガ

2020年の5曲は上記を選びました。1位は映画「テネット」の主題歌だった、トラヴィス・スコットの「The Plan」です。iMAXレーザーの映画館で聴いたこの一曲が今年唯一のライブ体験だったかもしれません。音楽はほぼイヤフォンで聴いているので、心臓から揺さぶられる大音量で聴いたこの曲のイントロの「ブバババ、ブバババ」が心(心臓)に残りすぎて、しばらく一日1回は聴かないと落ち着かない、中毒になってしまった曲でした。

2位はボン・イヴェールを迎えて作ったテイラー・スウィフトの「exile」です。コロナ禍に傷ついた人々の心を癒すように7月にリリースされたアルバム「Folklore」の中の一曲です。ボン・イヴェールの落ち着いたバリトンボイスに重なる、スローテンポのテイラー・スウィフトの優しい唄に魅了されます。次に米津玄師の「感電」。跳ねるようなリズムに粘りっこい唄を重ねる、ただただかっちょいい一曲。日本イチ注目されるシンガーになってしまった米津が、アンセムに向かうことなく、突き抜けたビートを刺してきたことにも興奮しました。

4位はスチャダラパーとライムスターの「Forever Young」。日本語ラップはRin音の「Snow Jam」など、チルなラップが台頭した一年でしたが、相変わらずのスチャとライムスのラップがとてもよかったです。50代に差し掛かった彼らが、ボクのようなおじさんを奮い立たせるリリックを発信してくれたのもうれしかったです。同じくおじさん賛歌の、木梨憲武の「GG STAND UP!」も素敵でした。最後は、レディ・ガガの「Free Woman」。こちらは、2010年代のはじめからフィーメイル・ポップを牽引してきた彼女が、2020年代のはじめに届けた、女性を奮い立たせる曲です。ぐっときました。

Best 3 Albums ――― 2020年のアルバム

  1. 3.15.20 ――― チャイルディッシュ・ガンビーノ
  2. Folklore ――― テイラー・スウィフト
  3. Stray Sheep ――― 米津玄師

2020年のアルバアムはこの3枚を選びました。1位のチャイルディッシュ・ガンビーノ「3.15.20」は、3月に世界中の人々が得体の知れないCOVID-19の恐怖に慄く最中に、唐突に、また得体の知れない数字が並んだアルバムとして発表されました。でも、その内容はロックダウンによって分断されてしまった世界においても、我々はつながっているんだというメッセージや、現実のハードな状況を共有しつつも、そこを乗り越えていこうというアティチュードが感じられるものでした。緊急事態宣言下のステイホーム期間中にはこればかり聴いていました。

2位のテイラー・スウィフト「Folklore」と、3位の米津玄師「Stray Sheep」は世界的にロックダウンが解かれ始めたころ、前者は7月に、後者は8月に発表されました。2作品ともに、ステイホーム期間中に、時間をかけて自身の内面を内省したことを表すような作品です。テイラー・スウィフトはライブでのコール&レスポンスを前提とすることがない、今までにないメローでチルな作品を生み出し、彼女の新しい魅力が発信されました。米津玄師は前述の通り、国民的シンガーになってしまった今のポジションを守ることなく、色とりどりの彼の個性がこの1枚のアルバムで聴くことができます。改めて、かっちょいい。

This year’s Vibes 3 Songs ――― 2020年のムードに合った曲

  1. Roar ――― ケイティ・ペリー
  2. Free Woman ――― レディ・ガガ
  3. 微笑がえし ――― キャンディーズ

最後に、完全にボクの気分で選んだ3曲です。2019年のグレタ・トゥーンベリ、エマ・ゴンザレス。そして、2020年は周庭(アグネス・チョウ)と、Z世代の若い女性が世界を正しく、よい制度に変えようとがんばっている姿と、でも大人たちや権力者に認められず、苦しみ、つらい状況へと陥ってしまう姿を見ていて、胸が苦しいです。せめて、そんな彼女たちに寄り添い、強い女性のパワーを感じたいと思って、この3曲をよく聴きました。

1位のケイティ・ペリー「Roar」は、その力こぶが本当に美しく、力強いです。逆境に負けずに信じることを叫び続けて欲しいとただそう思います。2位のレディ・ガガ「Free Woman」は、力強くも優しいアンセムです。自身も女性であることで悩み続けるガガですが、この詩で唄うようにいつか「自由」を手に入れられるようにと願います。3位のキャンディーズ「微笑がえし」は、70年代に健気にでも強く生きた女性グループのラスト・ソング。今よりもきっと何倍も不自由だった時代に、自らの手で進む道を切り開いた3人の寂しさと喜びが詰まる最後の1曲です。

2020年の音楽の視聴環境

いつもよりも「音楽の力」が必要だった2020年です。よい音楽に巡り合うことができました。その背景のひとつは、1年半前から契約してる「Amazon Prime Music」で。時代を反映する新しい音楽にタイムラグなしで出会うことができる。また、偶然に出会うこともできる。今までストックしてきた音源がもったいなくて、ストリーミングサービスの導入が遅くなってしまったけど、はじめて1年を通してストリーミングで音楽を聴いて、その恩恵をまじまじと感じました。

もうひとつは、今年購入した「Air Pods Pro」。高品質な外音取込機能と、iOSデバイス間をシームレスにつなげるペアリング機能によって、通勤時、ランニング時、ベットの上、仕事中のオンライン会議でも、快適に使っています。音楽はもちろん映画も、少しの空き時間でもすぐに耳に届けられる。Air Pods ProでQOLが格段に上がり、よい作品に出合うきっかけになりました。

残り少ない2020年はこれらの音楽とともに過ごし、激しかった1年を総括してみます。2021年もたくさんの良い音楽に出会えますように : )

2020年の歌―――COVID-19とラップと、テイラー・スウィフトと米津玄師

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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