AMTULモデルでサンプリングとコミュニケーションを企画する

メーカーマーケティングに携わる人に読んでおいてほしい本です。

 



水口さんはマーケティング実務家のための組織「MCEI」の東京支部理事長を務めていました。上記の本も含めて、メーカー視点で生活者・流通小売に向けてのマーケティング戦略を永く説いてきました。

私も2005年に半年間「MCEIビジネススクール」に通い、モノ作りと顧客接点におけるメーカーの感動を直に体験できたこと、とても大切な経験です。

この本の中で水口さんが説いている「AMTUL(アムツール)」という、消費行動モデルがあります。「AMTUL」は、商品やサービスと接触するというアクションの後を「使用経験」「現在利用」「愛用固定」と段階を分けて考えるのが特徴です。

  • Awareness(認知が高まる)
  • Memory(記憶されている)
  • Trial(接触経験を持っている)
  • Usage(利用経験を持っている)
  • Loyal(それが好きでたまらないという状況を作る)

商品やサービスとの接触の後を段階分けしているAMTULは、アクションやその直後で完結する他の消費者購買行動モデルよりも長期的に消費者の態度変容を見つめるものです。サンプリングで「接触」を促し、その後のソーシャルコミュニケーションで愛用固定に顧客育成する。そんな提案ストーリーにとても使いやすいモデルです。

またAMTULは、各段階で定量的に対象者に指標を確認できる項目を持っています。

  • Awareness→再生認知率(助成想起)
  • Memory→再生知名率(純粋想起)
  • Trial→使用経験率
  • Usage→主利用率
  • Loyal→今後の購買意向率

多くの消費行動モデルがありますが、検証項目までイメージされたモデルは「AMTUL」の他には見当たりません。認知ではなく利用と理解を中心に消費行動が整理され、それぞれリサーチを通して検証する「AMTUL」モデルは、メーカーマーケティングでこそ活用したいモデルです。

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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