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ファンベース|いつもクチコミと定性リサーチの実践に勇気をもらえる「さとなお」さんの最新作を読みはじめた

クチコミマーケティングと定性リサーチの実践に携わって17年になります。アナログで草の根なマーケティングは、スピード感に溢れ華やかなデジタルマーケティングと比較して、その歩みは遅く時折不安にもなりますが、実践のプロセスやそれがもたらす結果に対しては、17年を経ても新鮮な喜びを感じ続けています。

そんな取り組みに対して、ファンの声をマーケティングに活かそうと訴え続ける佐藤尚之(さとなお)さんの著作にいつも勇気をもらっています。前作の「明日のプランニング」から3年弱、本作「ファンベース」もそうしてボクに勇気をくれるのではと思って、ワクワクしながら本を開きます。

明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法|「おもしろい企画」を望む営業への違和感を表現してもらった

いったい世の中に、自分たちが愛している商品の価値を支持してくれる「ファン」を喜ばすことほど、楽しい仕事が他にあるだろうか。

ファンベースの入り口で、さとなおさんはそう言います。これはクチコミの実践でボクが思い続けて、クライアントと共有し続けていることです。

クチコミマーケティングの最初の一歩は「ファンの声を聴くこと」からはじめます。企業や商品に対する「ホメ言葉」を見つめることからはじめる第一歩は、ボクにとってもクライアントにとっても楽しい仕事です。ファンのホメ言葉には勇気づけられ続けてきました。

そして、注意深く耳をすませて聴いたホメ言葉を、企業の発信力をもって多くの人に伝播するのが「クチコミ・マーケティング」です。この過程では、ホメ言葉をあげてくれたファンに企業として直接アプローチして、しっかりお礼をして、共有させてもらうための許可を得る。この手間のかかるプロセスの実践こそ「ファンを喜ばすこと」につながっています。

自分の好きな企業や商品の担当者から突然コンタクトがあり、感謝される。こんなエキサイティングな体験を実現できる環境が整ったこと、それがファンベースの力強い背景になっていると感じています。

企業の本業とは「生活者の課題解決」であり「笑顔を作ること」なのだ。

ファンベースの考え方に共感するのは、徹底的に生活者の視点でマーケティングを考えていくところです。こうすれば、ああなる。という企業の上から目線でのマーケティングではないところ。

そもそも企業は、何のためにそのブランドや商品を開発・販売しているのだろう。もちろん企業ごとに表現は違うが、創業者の言葉や社是、理念などを読むと、たいていこのようなニュアンスのことが書いてある。

「生活者の課題を解決し、生活者に笑顔になってもらうこと」

食料や飲料であれば、生活者の日々の食欲や喉の渇きをおいしく解決し笑顔になってもらうこと。日用品や電気製品であれば、生活者の日々の不便や不満を鮮やかに解決し笑顔になってもらうこと。ファッションやエンタメであれば、生活者の日々の欲望や退屈をワクワクと解決し笑顔になってもらうこと。生活者と直接的に取引しないBtoB企業だとしても、相手先企業の様々な課題を解決することで、間接的に生活者の課題を解決し笑顔になってもらう。

つまり、企業の本業とは「生活者の課題解決」であり「笑顔を作ること」なのだ。

そして、だいたい満足な今の生活の中で、さらに「生活者の課題を解決し、生活者に笑顔になってもらう」ためには徹底的に生活者の生活を見つめ続け、小さな不満足を発見し、小さなベネフィットを提供していくことが大切だと、ボクは思っています。それを実現できるのはまじめで地道な定性リサーチしかありません。

定性リサーチの実践は企業の本業を叶えることであり、生活者に笑顔をもたらし、今の生活をもう一歩幸せにすることの支援につながる。そんな自信につながります。

商品が長く安定して売れ続けることは、企業ができる「最大の社会貢献」なのである。

今までにない視点で、さらなる勇気をもたらしてくれる考え方です。小さなマーケティング会社で社会を関わり続けて17年。社会に貢献できる仕事がしたいけれど、まだそんなの身の丈にあっていない。そんな風に思っていましたが、違いますね。ファンベースの考え方で、定性リサーチとクチコミを実践することは「社会貢献」にもつながる。そう思っていきたいです。

商品が長く安定して売れ続けることは、企業ができる「最大の社会貢献」なのである。ファンベースは、その「長く安定して売れ続けること」を可能にする。カンフル剤のように短期施策などを打ち続けて一時的に売れる状況を作るのではなく、長く安定して売れ続ける状態に、ブランドや商品を、する。だからこそ欠かせないアプローチなのである。

定性リサーチとクチコミマーケティングは、継続的で持続可能な生活者理解と商品育成のための術だと思っています。まだ本を開いてほんの少しを読み進めただけですが、すでにたくさんの勇気をもらいました。

最後までファンベースの考え方を噛みしめながらページをめくり、たくさんの示唆を得て糧にしていきます : )

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