2012年のはじめに発表されたGoogleのSearch, plus your Worldには驚きました。これまでは人の入力するキーワードに瞬時に的確な情報で応えてきたGoogleですが、今度は入力するキーワードに加え、その人の行動・嗜好に配慮した情報が応えとして返されます。
なんとなく、これまでは巨大なスーパーコンピュータの姿をして、人々の要求に無機質に応えてきたGoogleが、人型のロボットに変わり、個々人の気持ちを汲んで最適な情報を届けにくる。まさにAndroid。そんなGoogleの姿を想像してしまう変化です。
さてそんなニュースを聞いて、改めてGoogleは強いなと感じます。その強さの根底には、人々はGoogleで検索することを止めない。という確信があります。Googleのメインディッシュは、世界中のwebサイトの検索結果です。その数は日々天文学的な数字で増え続けます。人々もその価値を十二分に感じています。
今回のSearch, plus your Worldはあくまでも、その結果に対するスパイスです。人々のソーシャルな情報が、Googleの検索結果に何らかの価値をもたらさなかったとしても、人々はGoogleで検索することを止めません。今はただ、最上級のメインディッシュにその実験的なスパイスを加えて味わうことを、とてもとても楽しみにしているだけです。Google強し。です。
さて、対するFacebookをはじめとしたソーシャルメディアはどうでしょう?
彼らのメインディッシュは、そこに集まるユーザの共有情報です。ソーシャルメディアに、友人や知人、企業やブランドの価値ある共有情報が集えば、人はソーシャルメディアを参照することをやめません。
昨年のF8でFacebookのマーク・ザッカーバーグは、Facebookには日々登録するユーザの数の2倍、共有情報が増え続けている。これから2年は指数関数的に増え続ける。と宣言しました。
その数は、Googleのメインディッシュと比べて充分なものでしょうか?これからもFacebookでは、人の共有情報が投稿され続けるでしょうか?
Googleのそれとは、どうしても見劣りしてしまうのが現状です。継続性も基盤も強固なものではありません。
それでも、それでも。私はソーシャルメディアとFacebookの大きなポテンシャルを感じずにはいられません。それは、共有情報には検索結果にはない感動があるからです。
期待された結果に忠実に答えるGoogleに対して、ソーシャルメディアは思いもよらない出会いや知識を得ることができます。そして、自分の共有した情報に、多くの人が感動している様をありありと見て、感じ取ることができます。
多くの人は、他社とつながり続けたいと思うはずです。他者に認められたいと思うはずです。だから、ソーシャルメディアにポテンシャルを感じるみなさんは、共有することをやめないで欲しい。
ソーシャルメディアで、生活者とつながることができた企業は、自身の共有情報を発信し続けるとともに、生活者の共有情報に注意深く耳を傾けて欲しい。そして、良い共有をしてくれた生活者を認め、感謝し、より多くの人たちにその共有情報を共有して欲しい。
真摯な目で観察する力を持ち、素直にホメる力を持つ企業やユーザがい続ければ、ソーシャルメディアは、良いメディア、良いマーケティングの場所であり、世界をよりよくするネットワークであり続けます。
だから、共有することをやめないで。ソーシャルメディアとFacebookの未来を、皆で作りましょう。
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