フェイスブックジャパンの副代表だった森岡さんの「グロースの時代」です。Facebookの日本におけるMAUを80万人から2000万人にグロースさせた3年間の物語です。
著者はグロースハックとは。について「単なるテクニックの話ではなく〝いかに発想して、いかに集中するか〟というマインドセット(思考様式や心構え)の話」と言っています。その通り、本書は技術的な話は皆無で、心構えと体構えの話が中心です。武勇伝てきな感じでもあります。
ボクは2011年からFacebookを活用したマーケティングを担当していて、当時のFacebookのコラボレーションや機能の追加を追いかけていたので、その裏話的なストーリーは楽しかったです。
本書の中、Facebookのグロースの歴史を簡単に綴った一文があります。
就職活動を意識したコネクションサーチを始めたのが二〇一〇年の一〇月です。そして、電通やKDDIとの契約が結ばれる前の二〇一一年年明けにフェイスブックの創設期を描いた『ソーシャル・ネットワーク』という映画が公開されてヒットしました。また、三月には東日本大震災が起きています。震災はつらいことでしたが、こうした非常時にフェイスブックのような実名サービスが緊急連絡網として役立つことが世間に認識されました。
このセンテンスだけで、自分がFacebookマーケティングに熱くなった時期の物語を思い出しました。コネクションサーチは、フェイスブックジャパンの児玉代表の講演で知りました。自らもやってみて、同じ大学の先輩後輩とつながり、就職活動に活かせる具体的な人々の力と産業を実感したことを思い出しました。
映画「ソーシャル・ネットワーク」は、どうしても早くに見ておきたくて、会社を午前休して錦糸町のシネコンに一人で観にいったことが想い出です。
そして東日本大震災。このとき、クライアントとの取引はほぼなくなり、でも立場上会社には出社していました。文章にあるように、震災を通しての実名サービスの人のつながりの大切さを感じつつ、節電中のオフィスで一心不乱にFacebookマーケティングの企画書を描いていました。
当社がFacebookを活用して、クライアントであるNBメーカーに提供できるサービスを考え抜き、震災後1週間でサービスを作りました。関東での震災の影響が落ち着きつつある3月末には、そのサービス企画を持って多くのクライアントに実名サービスの素晴らしさを語りながら、営業をしました。我ながら、感情込めてセールスでき、Facebookページのプロジェクトをいくつも受注できました。
そんなことを想い出し、ボクなりにFacebookのグロースに少しは貢献したのでは?なんてことを思った本書でした。
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