MUSE|フジロック07.Repo

苗場に闇夜としめった寒さをつれてきた、マシュー率いる「MUSE」。

暑かった一日目。5、6杯のハイネケンを飲み干し、暮れ行く苗場にウトウトとしていると。闇夜と背筋に感じる寒さにブルっと身震いをひとつして、目が覚めた。

「Knights Of Cydonia」の宇宙を感じさせる電子音。少しやむと「アー、アー、アー」という咆哮。背筋がブルブルっと震える。電気の力に捻じ曲げられた叫びが続き、感じるはずのない無重力を感じる。Space Of MUSEの開演だった。

多くの人が今年のフジのベストアクトに挙げるんじゃないかな。MUSEの創り出す彼等の宇宙はパーフェクトだった。静寂と、電子音と、轟音ギター。ステージ演出もコズミックな雰囲気を助長する豪華で素晴らしい演出。

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最新アルバム『Black Holes And Revelations』の楽曲を中心に、ナルシスティックだったり、激しくバーストしていたり、マシューのアクションが半端でない、美しくピアノをかき乱す姿と、ギターになんだろうなあれ、何本もギターを取り替えながら演っていたんだけど、その中の一本に、アクリル板みたいなのがボディについていて、それを叩くと電子音がするんだ。

ギターを激しく弾きながら、シンセサイザーも操っているみたいな。とにかくマシューがすごい。そうだよな、だって辺りは彼が創った宇宙だから、音の無重力空間で、自由自在に泳ぎまわる。そんな表現がピッタリくる。

終盤のセットリストも見事。

「Starlight」を綺麗に奏で、「Time Is Running Out」で一旦の静寂に引き込み、轟音の世界へ連れ戻す。本編の最後は「New Born」で締める。もうそれはそれで、大分満足なんだけど。トリ前にも関わらず、アンコールに応え「Plug In Baby」。

ノイズの嵐の中に、これまた粋な演出で大きな白い風船を漂わせる。会場全体が、星屑の中を行く宇宙船のようだ。最後の最後は、轟音と美音。正と悪。麗と醜の対義ででも美しいシメントリーを象徴するような「Stockholm Syndrome」で終える。

MUSEの宇宙につつまれた苗場は気づくと大分冷え込んでいた。ガスも出てきたようだ。もっとも大きなグリーンステージの様子を一変させたMUSEのステージ。圧巻。「The Small Print」「Thoughts Of A Dying Atheist」や「Sunburn」。まだまだ聴きたい曲もあったので、単独公演があったなら行ってみたいな。

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この記事を書いた人

マーケティングに関わる仕事に20年以上携わっています。感銘を受けたポップカルチャーをマーケティング視点で記録したり、日々の暮らしや身に着けているもの、健康・投資について記録するためにブログを活用しています。

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