社長と我が部署のメンバーとの会食で豆腐料理を食べに行きました。鶯谷にある「笹乃雪」というお店です。
JR鶯谷の北口改札を出て、古くからある大衆居酒屋とラブホテル街を横目に言問通りを渡るとお店が見えてきます。歴史を感じる玄関には下足番さんがいて優しく丁寧に迎えてくれます。靴を脱ぎ、老舗旅館のような赤い絨毯の上を歩き、2階の個室に案内してもらいます。
とても静かで厳かな雰囲気。そんな雰囲気の背景には350年以上続いてきた歴史があるのが頷けます。お店の「いわれ」は以下とのことで。
笹乃雪初代玉屋忠兵衛が絹ごし豆富を発明。元禄四年(約三百十五年前)上野の宮様(百十一代後西天皇の親王)のお供をして京より江戸に移り、江戸で初めて絹ごし豆富を作り根岸に豆富茶屋を開いたのが当店の始まりです。宮様は当店の豆富をことのほか好まれ「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」と賞賛され、「笹乃雪」と名づけ、それを屋号といたしました。その時賜りました看板は今も店内に掲げてございます。
いつもと違う雰囲気に少したじろぎつつも、料理とお酒を楽しんだので記録に残しておきます。
豆富料理 笹乃雪「子規の里」コースを楽しむ
社長との会食ということで、一番上等なコース「子規の里」を用意いただいたみたいです。個室に入ったときにはテーブルの上に前菜が用意されていました。上品な5種の前菜。
続いては「生盛膾(白酢和え)」です。中央の白い塊りが豆富白酢で、周囲に配された季節の食材を自分で豆富白酢にあえて、できたての白酢和えを楽しむという趣向の料理です。
そうそう。お酒は終始日本酒で行きました。最初は吟醸酒「桜花」です。豆腐の味を邪魔しないキリリとしたお酒です。
シンプルな冷奴です。豆腐の味が一番わかるやつ。はじめはそのまま。次に日本酒と少し垂らしていただきました。口の中に大豆の甘味と香りがフワっと広がります。お醤油をつけて食べると香ばしくなる。いいですね。
次のあんかけ豆富がやってきました。なぜか一人に二椀サーブされます。いわれを聞くといつかの皇族の方があまりにおいしいものなので、おかわりじゃなくて最初から二椀持ってこいとおっしゃったのがはじめだそうで。とろりとしたあんかけと、それに負けないぐらいの粘度で濃厚な豆腐と。間違いないです。
胡麻豆富です。上に乗っているのは自家製の柚子味噌だそうです。ねっとり濃厚。
そろそろ次の日本酒を。ということで「からおろし」です。最初の桜花よりもさらにスッキリ。
雲水という料理です。季節の七種類の素材の豆乳蒸しだそうです。ほんのり塩味で蒸された野菜と、ショウガが香る肉団子。なかなか味わえない味です。
茶碗蒸しです。湯葉も乗っていました。豆腐料理と侮っていましたが、このあたりでお腹はすでにパンパンです。豆腐ってヘルシーだけどしっかりお腹にたまるんだなぁ。
お腹がパンパンの中、揚げ物がやってきました。揚げ豆腐と何か。お塩でうすく味付けされています。
飛龍頭です。ふわふわの生地の飛龍頭を品の良い甘さの銀あんでいただきます。うまい、けどお腹もいっぱい。
うずみ豆富というお茶漬けです。しっかり味のお出汁でホロホロとした豆腐と米をサラサラと胃袋に流し込みます。食事の締めにやさしいお料理です。
デザートは豆富アイスクリームです。アイスというより豆腐を凍らせて食べている感じ。さっぱりしているのに濃厚な大豆の味が感じられておいしかったです。
と最後まで豆腐づくしな会食でした。きっとなかなか来れないお店で、貴重な体験させてもらいました。いずれもおいしい豆腐料理ですが、ほんとお腹がいっぱいです。豆腐と侮るなかれ : )
コメント - comments -