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イノベーションへの解|クリステンセンの示唆を「定量化するな」「生活者の生活に着目しろ」と捉える

クリステンセンの「イノベーション」シリーズは有名なビジネス書だそうですが、遅ればせながらクライアントのススメで読みました。

またつい最近、プロジェクトで製品アイデア・商品アイデア・販促アイデアを考え、レポートする機会があり、リサーチデータをもとにアイデア発想を進めていく中で、本書で著者のクリステンセンが訴える示唆が心に深く入ってきたので再整理しておきます。

顧客は片づけるべき「用事」のためにお金をだして製品やサービスを「雇う」

本書で一番頻出するフレーズであり、本書で最も訴えたいことだと理解しています。斬新でおもしろい製品であっても、顧客の「用事」にフィットしなければ「雇われる」ことはないということです。

マーケティングで狙い通りの成果をあげるためには、顧客がものを購入したり利用したりする状況を理解することが欠かせない。具体的に言えば、顧客(個人や企業)の生活にはさまざまな「用事」がしょっちゅう発生し、彼らはとにかくそれを片づけなくてはならない。顧客は用事を片づけなければならないことに気付くと、その用事を片づけるために「雇える」製品やサービスがないものかと探し回る。顧客は実際、こんな風に暮らしているのだ。

そしてクリステンセンは顧客の「用事」は何なのかを理解するために、顧客の生活に着目しろ。と訴えています。ボクはマーケティングリサーチを生業にしていますが、リサーチの目的は様々ではあるけれど、本来の目的は「顧客の理解」だと思っています。そしてそれは「定量化」できるものではなく、ひとりずつの行動を観察していかなければ見て取ることができません。極端に言うとリサーチとは定性調査であると言い切ってしまいたくなります。

あ、定量はサーベイ(調査・測量)だと思っています。

顧客は1/4インチ・ドリルが欲しいわけじゃない、1/4インチの穴が欲しいのだ

顧客の正しい理解の必要性を説いている最も有名な言葉が上記のレビットのメタファーです。本書にもしっかり引用されていましたが、どうやらレビットはクリステンセンの師匠にあたるようですね。例えばドリルがそこにないならば、ドリルの変わりに求める穴が開けられる代替品を提案することが顧客のウォンツを満たす方法です。

それまで関心のなかった「用事」を顧客にすすめてはいけない

先に話した商品や販促コミュニケーションのアイデアを考えている最中にハッとさせられたフレーズです。企業からの提案は往々にして「用事」の押し売りだったりするのでは?とふと立ち止まらせてくれる示唆です。

顧客にそれまで関心のなかった用事を優先することを求めるアイデアには、成功の見込みはほとんどない。顧客は新製品が手に入るようになったからといって、用事の方を変えることは絶対にないのだ。逆に、顧客がすでに片づけようとしていた用事をより効果的に手軽にやり遂げるのに役立つ新製品なら、成功するだろう。

顧客の「用事」を考えることは、斬新で面白い新商品を考えるよりも難しいのでは?と、そんな風にまで思わせる示唆です。顧客の「用事」はマーケターが頭で考えても思い浮かぶことは少ないでしょう。だから顧客を観察してリサーチをするのです。生まれたアイデアが顧客の今の「用事」を片づけてくれるものなのか、もう一度リサーチした顧客の行動データに立ち戻って確認します : )

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