ファンベースの考え方がスッと心に沁みてくるのは、迷ったら「ファンの声を聴く」という出発点に立ち返ることをオススメしていることです。
ファンとともに歩む施策であれば、そこにファンの声が聴こえてこなければなにもはじめることはできません。クチコミ・マーケティングの提案段階においても、商品がブランドに対する「ファンの声」なんてないからと消極的なクライアントもたくさんいます。
そして、そういうクライアントの大概はファンの声を聴こうとしていません。今、世の中に存在して少なからず使ってくれている人がいるのならば、ちゃんと聴けば必ずファンの声は存在し、聴こえてくるはずです。どんな商品でも必ずファンはいると、言い切ってもいいと思います。
そんなクライアントには、事前に少しリサーチをしてファンの声を見せてあげます。我々がいくら言っても聞いてくれないクライアントも、やはりファンの声はうれしいし、聴かずにいられない情報です。そうした前提を踏まえて、ファンベースではファンの支持を強くするための3か条を以下のように説明します。
ファンの支持を強くするための3か条
1. その価値自体を、アップさせること「共感」を強くする
2. その価値を、他に代えがたいものにすること「愛着」を強くする
3. その価値の提供元の評価・評判を、アップさせること「信頼」を強くする
そして、その価値自体を理解していない企業に対しては、クチコミ・マーケティングの設計時と同様にファンの声を聴くアクションからはじめることをススメています。
明確化されていない企業の場合は、ファンの言葉を傾聴することを出発点にすることをオススメしたい。 「どうやら『このような価値を大切にしている人』が、ファンになってくれている」という事実から逆算して、「あなたの企業やブランド、商品が大切にしている価値」を考え、絞っていく、というやり方だ。
このスタートには、もっとシンプルでかつ大切な効果があります。それは「企業の担当者が誇らしく、うれしい気持ちになって、勇気を持てること」です。ファンの声は、商品開発者に、営業担当に、ブランドマネジャに、社長にも自社商品に対する勇気を与えてくれます。このきっかけこそがファンベースの一番の推進力になると、ボクは感じています。
また3か条のひとつめ、「共感」を強くする具体的な方法を示してくれています。
ファンの「共感」を強くするための具体的な方法
1. ファンの言葉を傾聴し、フォーカスする。ファンの言葉の中に、企業がまだ気づいていない「共感ポイント」がたくさん隠されている。それをくわしく知ることはファンベースの出発点だ。そこに焦点を当てて改良・改善していくことで「価値」はより高まっていく。
2. ファンであることに自信を持ってもらう ファンは意外と自信がない。なので、他のファンのオーガニックな言葉に触れやすいようにして、自分が支持している「価値」に自信を持ってもらうことが必要だ。それは共感を高め、ファンからのオーガニックなオススメを起こりやすくする。
3. ファンを喜ばせる。新規顧客より優先する。新規顧客ではなく、その「価値」を支持しているファンをいの一番に優先するという姿勢を明確に前面に押し出すこと。そしてファンをもてなし、喜ばせること。それはファンの共感を強め、価値への支持も強くする。
ここで示してくれる方法ととても近いのですが、クチコミ・マーケティングの基本アクションについて、ボクなりに以下のように整理しています。
- Listen:注意深く観察して、ファンの声を聴く
- Like :勇気づけられたファンの声には勇気をもって感謝を伝える
- Share :ファンに許可をもらい、企業の発信力を持ってより多くの人に伝播する
この3つのステップです。この過程でファンベースで語られている「ファンに自信を持ってもらうこと」「ファンを喜ばせること」効果も得られることができます。
ファンの声を聴くことに注力し、ファンの声をより広く伝播し活用させてもらうことを考えていけば、ファンベースの考え方をもとにしたクチコミ・マーケティングがうまく循環するものだと確信できました : )
ファンベースに関する記事はこちらです
http://ryu.jpn.com/archives/6643
http://ryu.jpn.com/archives/6676
http://ryu.jpn.com/archives/6742
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