ジャマイカのヒットチャートを席巻し、民衆の心に反逆の精神の火を灯らせた。
権力者に恐れられる力を得た。ルード・ボーイの文化を創造した。
ボブはザ・ウェイリング・ウェイラーズを結成し、わずか2年の間にその大きなエナジーでこれらを成し遂げました。でも、経済的には相変わらず苦しい生活です。ジャマイカの音楽の業界もまた、バビロンシステムそのものでした。権力者だけが金という恩恵を受けられる。いくらヒットする詩を創っても受け取る賃金はわずかなもの。
それはグループの存続さえままならないほどのものでした。1966年、経済的な理由でザ・ウェイリング・ウェイラーズの脇を固めていたコーラス隊のブレイスウッドとケラソウが脱退することになります。
マーケットの盛り上がりとは裏腹に、いつも腹ペコな日々。ボブは、少し前に再婚し、アメリカに移り住んだ母親セデルラの元へ渡る決心をします。
いいことなんかないのはわかっている。単なる気分転換さ。
アメリカへ渡ったボブは、音楽を忘れ。平凡な職につき、日銭を稼ぎます。でも、バビロンシステムは腹ぺこなボブに日銭さえ稼ぐ事を許しません。アメリカへ渡って一年もたたないうちに、徴兵礼状を受け取ります。ボブはそのバビロンからの徴兵礼状を笑ってつき返し、「やっぱりいいことなんてなかったよ」と、また笑いながら仲間のもとへと帰っていきます。
Them Belly Full (But We Hungry)♪♪♪
Them belly full but we hungry
A hungry mob is a angry mob
A rain a fall but the dirt it tough
A pot a cook but the food no ‘noughYou’re gonna dance to Jah music, dance,
We’re gonna dance to Jah music, dance,Forget your troubles and dance,
Forget your sorrows and dance,
Forget your sickness and dance,
Forget your weakness and dance,Cost of livin’ gets so high
Rich and poor they start to cry
Now the weak must get strong
They say oh, what a tribulationThem belly full but we hungry
A hungry mob is a angry mob
A rain a fall but the diry it tough
A pot a yook but the food no ‘nough
奴らは満腹(オレたち腹ぺこ)♪♪♪
奴らは満腹 オレたち腹ぺこ
飢えた群衆は 怒れる群衆
雨が降っても 土は痩せ
ナベがあっても メシはない踊ろう Jahの音楽で踊るんだ
オレ達は Jahのミュージックで踊るんだ悲しみを忘れて 踊ろう
めんどくさい事なんか忘れて 踊ろう
苦しみを忘れて 踊ろう
弱い気持ちを捨てて 踊るんだ物価はどんどん上がる
金持ちも貧乏人も 今にねをあげる
今こそ 弱きものは強くならなくてはならない
誰もが叫ぶ なんてひどい仕打ちなんだ奴らは満腹 オレたち 腹ぺこ
オレたちは 飢えて怒れる群衆
雨が降る ホコリだらけだ
この若さで メシがない
※訳文は筆者の勝手な解釈を含みます。ご了承ください。
いつも空腹でした。空腹を紛わすためには犯罪に身を染めるか、音楽を奏でるかどちらかでした。ヒットを飛ばし、有名になってもその状況はあまり変わりません。
なんてひどい仕打ちなんだ!
弱いままではいけない。今こそ強くならなくてはいけない。たくさん変えなくてはいけないことがある。すべて変えてやろう。バビロンシステムを打ち崩すために、ボブの詩はラスタのカラーを強めていきます。ジャマイカに戻ったボブを、飢えて怒れるルーディは英雄として迎え入れます。
そしてボブのラスタファリはルーディたちを導き、反逆者(レベル)たちは革命家(レボリューショナリー)へと生まれ変わります。これから進む道も苦しい道ばかりです。でも確かにボブの、ジャマイカの時計はリズミカルに時を刻み始めました。
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