経営やサービス開発の道しるべに、少し先の未来を考えようと取り組んでいます。
ケヴィン・ケリーの「〈インターネット〉の次に来るもの」はテクノロジー界隈の今の技術と少し先の技術を俯瞰して見てみる、考えてみるのにとても参考になります。
彼は人々の行動を12の法則として整理し、こうした行動によってもたらされる未来を「不可避」なものと言います。12の法則は以下の通り。
- ビカミング(なっていく)
- コグニファイング(認知化していく)
- フローイング(流れていく)
- スクリーニング(画面で見ていく)
- アクセシング(接続していく)
- シェアリング(共有していく)
- フィルタリング(選別していく)
- リミクシング(リミックスしていく)
- インタラクティング(相互作用していく)
- トラッキング(追跡していく)
- クエスチョニング(質問していく)
- ビギニング(始まっていく)
いずれの単語も、その意味を少し見るだけで自分の行動や、自分の周辺にあるテクノロジーを表現するときのキーワードであることが理解できます。
リミクシング(リミックスしていく)
人間が発想しうるアイデアは20世紀中に出し切っていて、21世紀はこれまでにあったアイデアのきりばりなんだ。なんていう感覚は以前からあって、きっとそんな少し諦観的な視点をポジティブに説明してくれたチャプターでした。
本当の持続的な経済成長は新しい資源から生まれるのではなく、すでに存在する資源を再編成することで達成される。成長はリミックスから生まれるのだ。
いまある素材を分配することは尊重すべき必要な作業だ。ローマーやアーサーなどの経済学者が指摘するように、組み換えることこそがイノベーションの──そして富の──唯一の源泉なのだ。
「それは借り手によって違うものに変えられたか?」という問いから始めてみるのはどうだろう。リミックスやマッシュアップ、サンプリング、分配、借用によって、ただのコピーではなくオリジナルから何かが変わったかということだ。
アンディ・ウォーホルはキャンベルのスープ缶を変えただろうか? もしその答えがイエスであるなら、つまり派生物はコピーとは別の何か──変換され、変異し、改良され、進化したもの──だと考えられる。それぞれの例で判断は分かれるかもしれないが、それが変わったかどうかを問うのは正しい質問だ。
筆者の視点のように、このリミクシングな世界を自分にとってポジティブに解釈しようとすると、「すでに存在する資源を再編成すること」は弱者の方がやりやすいのでは?と考えてみました。
すでに権益を持っている強者は他者の資源活用に躊躇する場面が多々あるのではと想像します。データのリミックス、ネットワークのマッシュアップ、ポイントの分配などなど。数々の強者の利害関係を上手に調整できる弱者のポジションが強くなる。そんな視点を持って動いてみたいと考えました : )
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