消費者の購買決定プロセスは、時代を経ながらたくさんのモデルが唱えられています。その中で、水口健次氏が提唱するAMTUL(アムツール)は、商品やサービスと接触するというアクションの後を「使用経験」「現在利用」「愛用固定」と段階を分けて考えるのが特徴です。
- Awareness(認知が高まる)
- Memory(記憶されている)
- Trial(接触経験を持っている)
- Usage(利用経験を持っている)
- Loyal(それが好きでたまらないという状況を作る)
商品やサービスとの接触の後を段階分けしているAMTULは、アクションやその直後で完結する他の消費者購買行動モデルよりも長期的に消費者の態度変容を見つめるものです。ソーシャルメディアで長期的なお客さまとの関係構築に取り組みやすくなった今、指標として取り入れたいモデルです。
またAMTULは、各段階で定量的に対象者に指標を確認できる項目を持っています。
- Awareness → 再生認知率(助成想起)
- Memory → 再生知名率(純粋想起)
- Trial → 使用経験率
- Usage → 主利用率
- Loyal → 今後の購買意向率
AMTULを提唱した水口健次氏は「顧客接点」の大切さを説いています。ソーシャルメディアにおけるマーケティングでは、認知を得たお客さまにサンプリング等を通して「使用経験」を促します。また「使用」したお客さまの声を聞き、フィードバックすることで「主利用」に足る情報の循環を促します。
さらにもう一歩歩み寄り、商品開発への参画など共創の体験を経てロイヤリティの獲得を目指します。
ソーシャルメディアにおけるコミュニケーションの方向は新しいお客さまに向けるものではなく、今いるお客さまとより緊密な関係作りに向けるものと考えています。そうしたコミュニケーションの様子が、次のお客さまの目に耳に入り、新しいお客さまの創出につながっていく。そんな循環がソーシャルメディアにおけるマーケティングの最大の魅力です。
お客さまのアクションを最後とせず、長期的な関係を作るための指標としてAMTULの活用をお勧めします。