昨年末(2010年代のおわり)からマーベル・シネティック・ユニバース(MCU)の作品、いわゆる「アベンジャーズ」を公開順に見続けています。
2020年1月現在、23作品も公開されているこのシリーズを改めて見てみようと思ったきっかけは、昨年から聴いているSpotifyのPodcast「POP Life:The Podcast」です。
ホストの田中宗一郎(タナソー)さんが2010年代のうちに見ておけ。とリコメンドしていて、かつ2010年代のポップカルチャーを振り返る本「2010s」でもまるまる1章を使ってアベンジャーズの話をするってことで、2019年が終わるまでに観終えるのは無理だけど、2010sが発売される1月末までならばイケるかな(無理だったけど)と思ってチャレンジをはじめました。
2010年代を迎えるころにはじまり、2010年代の終わりでひと区切りを迎えたアベンジャーズシリーズは、痛快なアクションや強敵を倒すために次々と仲間が集うキン肉まん的な高揚感はもちろんのこと、公開したころの社会情勢・課題を写す鏡のような作品であることがタナソーが言う魅力です。
たった今は13作目となる「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)」まで観終えましたが、少しずつその感想・レビューを残しておこうと思いました。感想はアベンジャーズシリーズが定義しているフェイズごとにまとめていきます。まずはフェイズ1として、
- アイアンマン(2008)
- インクレディブル・ハルク(2008)
- アイアンマン2(2010)
- マイティ・ソー(2011)
- キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)
- アベンジャーズ(2012)
上記の作品の感想を記します。ネタバレも含んでしまいますので、未見の方はお気をつけください。アベンジャーズの主要メンバーである「アイアンマン/トニー・スターク」「ハルク/ブルース・バナー」「ソー」「キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース」の紹介と、彼らがはじめて集結しアベンジャーズを結成する場面までがフェイズ1です。2000年代が終わるころから、2010年代のはじめに作られ、公開されて映画たちです。
アイアンマンから順を追って作品の背景にある社会課題を中心にレビューします。
1.アイアンマン(2008)
その技術をもって、スタークは見事にアメリカの窮地を救ってみせます。世間で「アイアンマンは誰?トニー・スタークなのでは?」と期待を向けられた彼は、本編の最後の記者会見でそれを隠すことなく「アイアム・アイアンマン」と宣言します。湧き立つ聴衆!日本のヒーローはきっとここで身分を隠すでしょう。この派手さとあけっぴろげな性格がなんともアメリカ的で痛快でした。
そして、エンドロールの最後では早くも「S.H.I.E.L.D/シールド」の長官「ニック・フューリー」がスタークの前に現れて、アベンジャーズへ勧誘するところでアイアンマンは終わります。
2.インクレディブル・ハルク(2008)
この時のバナーの演者はエドワード・ノートンでした。悲しく狂う演技が上手な名優です。でも彼が演じるハルクはこの作品のみでした。いつまでたってもヒーローと言えない、なれないハルクの悲しさを演じるにはエドワード・ノートンは適役だと思ったのですが、ちょっと残念です。
3.アイアンマン2(2010)
4.マイティ・ソー(2011)
5.キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)
アベンジャーズでは兵器と戦争、兵器とテロが描かれており、そのメンバーの力は兵器として人に助けを乞われるものなのか、恐れられるものなのか。そんなテーマが描かれていると感じます。
6.アベンジャーズ(2012)
それぞれがテロや戦争から世界を守る戦いを続けてきたアベンジャーズたちが集い、宇宙からの脅威、それは人間にとって天災、大災害ともいうべき事象に立ち向かい、それを退けてフェイズ1は終わります。
テロとの戦いだった2000年代が終わり、2010年代は日本の東日本大震災という大災害からはじまりました。アベンジャーズのフェイズ1は、地域や宇宙、時代さえ超えて人々が協力すればテロや大災害にも対抗することができると。そんなメッセージが込められているかもと。そんなことを思って観終えました。
フェイズ1の最後、アベンジャーズの最後ではシリーズの大きな敵である「サノス」が初登場して終わります。まだまだ大きな脅威はこれから。でも、まだまだアベンジャーズに集う仲間が増えていくのもこれから。こうして感想・レビューをまとめるのは大変だけど、続けてみたいと思います : )