「クチコミ」を扱ったマーケティング本「アンバサダー・マーケティング」では、クチコミの価値を金額で言及しています。
クチコミを得意とする広告代理店のバズエージェントは、クチコミによる推奨には一件あたり300ドルの価値がある、と主張する。マーケターが通常、ネット広告を一件表示してもらうのに支払う平均金額15ドルに、クチコミならではの価値(ターゲティング、エンゲージメント、持続的な価値)を足し合わせた結果だという。
アンバサダー・マーケティングのアンバサダーとして、私もバズエージェントの主張には説得力があると思う。ただ、CPM(コスト・パー・メッセージ)のようなペイドメディア特有のメトリクスを使って推奨の価値を測るのにはいささか違和感がある。ほとんどの消費者が広告やペイドメディアを無視する世の中で、信頼性の高い、顔の見えるおススメはとてつもない価値がある。ひとことで言えば「プライスレス(値段がつけられないほど貴重)」だ。
クチコミの価値は「300ドル(3万円程度)」という金額感、いかがでしょうか?クチコミを扱うマーケティングでクライアントととの費用対効果の議論があった場合には議論にしたい数字です。
ただし、ここでのメッセージの最重要部分は「ほとんどの消費者が広告やペイドメディアを無視する世の中」での「クチコミ」の重要性です。「多くの人を振り向かせるための広告」よりも、「一人が無視できないクチコミ」をいかに集めて、広めていくか。その価値をもっと伝えるようになりたいと思います。