2013年のソーシャルメディアは、1月に開設した首相官邸のFacebookページやLINEが短期間で多くのフォロアーを集めたニュースからスタートしました。これからも組織や企業がソーシャルメディア上で、今まで実現し得なかった生活者との双方向のコミュニケーションの取り組みが続いていきます。
こうしたソーシャルメディアの利用の目的は、
- 生活者との継続的なコミュニケーションにより
- 関係性を深め、商品やサービスの理解を深め
- 永く愛してもらうこと
にあります。深い理解の促進は情報過多の社会の中で、一朝一夕には実現が難しく、継続的なコミュニケーションが必要です。当社ではこのような企業と生活者とのコミュニケーションの目的を設計する際に、TR(トライアル・リピート)分析モデルを活用します。このモデルで分析すると、今、企業のソーシャルメディアの利用が増えている理由が見えてきます。
■TRモデル
TRモデルでは商品やサービスのリピート率に着目します。リピートという言葉に関しては「購入」を分母にする場合と「経験(買っていなくて も商品を試した)」とする場合とありますが、この場合は「初回購入」を分母にします。「リピート率」の高いもの、低いもの、当然高ければ商品力はあり、低くければその逆となります。
このリピート率を軸にして、生活者とのコミュニケーションを設計します。
上記の図は、主に日常的に購入機会が発生する消費財をイメージしています。その場合、商品力があるもの(リピート率40%以上)は、使用機会を増やせば増やすほどリピートがされていきますので、トライアーを創出すればいいでしょう。具体的な手法はサンプリングが例に挙げられます。
リピート率が低い場合(リピート率20%未満)には商品そのものに魅力がないということですから、製品の見直しが必要となります。改めて「リサーチ(消費者研究・理解)」が必要になります。
最後にリピート率が20%~40%未満の商品群です。ここにプロットされる商品やサービスは、ベネフィットを理解する人はリピートしているけど、理解が追いつかない人たちがまだたくさんいる。商品・サービスです。市場に商品が溢れることにより、ターゲットのセグメンテーションが細分化されたこと。付加価値の提案が多くなること。によって、今、このような商品・サービスが増えています。
商品ターゲットの生活や、使ってもらう場面、時にはその顔まで思い浮かべてこだわりもって開発した商品やサービスですので、深く理解して欲しいと願うのは必然です。そのような企業が、ソーシャルメディアを利用して顔の見えるお客様との継続的な関係構築へのチャレンジを続けています。
ソーシャルメディアへ飛び込む機会と勇気を伺う企業は、自社商品やサービスのリピート率を見つめてみることをおすすめします。