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リアルなクチコミの実施経験から考えるソーシャルなクチコミのための道標

リアルな場所でのクチコミプロモーションから得たコツやポイントは、ソーシャル空間の中でのクチコミに活用ができます。リアルなクチコミの実施経験をソーシャルなクチコミの道標とするために改めて整理します。

■リアルなクチコミのポイント

我々はリアルな場所でのクチコミの設計時に以下の点を明確にして取り組みます。

  1. 誰から誰に伝えるのか(Target)
  2. 何を伝えるのか(Text)
  3. どのように伝えるのか(Context)

以上の3つが明確にならないとクチコミは成立しません。以下に詳しく事例を紹介します。

1.誰から誰に伝えるのか(Target)

リアルなクチコミでは、クチコミの発信者をフィールドマーケターDOさんが担当し、クチコミの受信者となるターゲットは、DOさんが日ごろから接点を持っている友人・知人としています。

日ごろの付き合いから培われた信頼関係に基づいたネットワークから、その人の嗜好・生活背景は事前にチェックして、その情報や商品を喜んでくれる知人・友人を選んでクチコミします。既知の関係、信頼できる相手からの紹介だから、高い関心を引き起こします。

Facebookをはじめとしたソーシャルメディアの上でも、この特長が色濃く出ています。例えばFacebookのタイムラインには、自分の友達、もしくは自分が「いいね!」を押したFacebookページの情報のみ流れてきます。

クチコミの3つのポイントの一つである、既知の関係からクチコミを発信するという要素を押さえるためにも、Facebookのタイムラインに情報を届けることができる、既知の関係作りを行うことが大切です。

2.何を伝えるのか(Text)

リアルなクチコミでは、クチコミの発信者たるDOさんが事前にクチコミの対象となる商品についての知識を収集し、また自身で実際に食べたり飲んだり、試したりした後に、特徴や他との違い、その良さなどを十分に理解した上でクチコミします。

商品情報を生活者にとって実感を得やすい、実生活に根ざした表現に置換した形、つまり商品情報ではなくて体感情報こそクチコミで伝えるべきテキストです。

Facebookを見ていても、ニュースやブログ記事のシェア情報よりも、さっき食べた昼食や子供の話、誕生日のこと。など、発信者の体感に満ちた情報に「いいね!」やコメントが集まる様子が見られます。画一化された情報よりも、パーソナルな情報がクチコミされています。

企業がソーシャルメディアの上でクチコミの伝播を行う場合も、企業からの画一的な情報ではなく、自身の商品にまつわる生活者の体感情報をいかにして集め、発信していくかがポイントです。ソーシャルメディア上で交わされる会話の傾聴や、商品を体感してもらうためのサンプリングがその具体的な対策となります。

3.どのように伝えるのか(Context)

コンテキストは、リアルなクチコミでは「必ず対面でクチコミ」する。としています。会って、直接話を聞きながら、声のトーンや表情、反応に合わせて、DOさんが身に着けた情報の引き出しの中から、一番響くキーワードを添えてクチコミする必要があるからです。

コンテキストはクチコミの3つのポイントの中でもとても重要で、またソーシャル(Facebook)上で実現しづらいポイントです。

対面で双方向に話をするクチコミを超えるものではありませんが、Facebook上でも発信者の表情やシズルが伝わるように、写真や動画を使って、またより詳しく伝わる生活者のブログを紹介することで、コンテキストを補う対策をしています。また、発信した情報に対してのレスポンス(コメント)こそ大切にしています。相手の表情は分かりませんが、文体や行間を読みながら、反応に合わせて可能な限りリアルタイムに対応を行います。

リアルなクチコミも、ソーシャルなクチコミもそれぞれにベネフィットがあり、一緒に実現できること、一方では難しいこと。あると感じます。今回紹介したリアルなクチコミの実施経験から得たポイントが、ソーシャルでのクチコミにより上手に正しく、取り組むための道標になれば幸いです。

Photo by laszlo-photo
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