ソーシャル時代の企業と生活者とのコミュニケーションには聞く技術が大切です。それはソーシャル以前から、そして今でも。企業は話す技術を中心に技術を磨き、マーケティングを組み立ててきたからです。話す技術を培ってきた多くの企業の中で、傾聴戦略を具体化できる聞く技術に長けた企業は生活者から評価を集める企業となります。
我々は象徴的な数字として、企業が生活者に話すために使う予算を広告市場。企業が生活者の声を聞くために使う予算をリサーチ市場して比較したりします。2010年の広告市場とリサーチ市場の比較は以下の通りです。
少し数字を丸めてみて、広告市場58:リサーチ市場2となります。足して60(分)になるので、我々はよくこんな例えをします。
はじめて知り合った愛想の良い彼。友達になろうと居酒屋に誘われます。
飲みに行って一時間、彼は58分話し続け、私の話は2分しか聞かない。
もう二度と飲みに行くことはないだろう。
こうした数字だけで見ると、企業はまだまだ話しすぎで、もっともっと生活者の話を聞くべきだと感じます。せめてEarnedMediaと呼ばれるソーシャルメディアでは「聞く5:話す5」ぐらいの割合にするべきですね。
ただし、ここで安直に声を聞かせて!とするのはまだまだ企業の上からのお願いになります。前回お伝えしたとおり、聞くコミュニケーションはListen+Like+Shareで組み立てます。ソーシャルメディアのコンテンツを生活者の声と聞くコミュニケーションで作るためのアクションアイデアを少し記載します。
- アンケートで生活者の声を集めてソーシャルで紹介する(訊く+共有する)
- 商品をサンプリングして実体験者の声を集めて紹介する(訊く+共有する)
- 商品モニターを組織して生活現場での使いこなしデータを集めて紹介する(訊く+共有する)
- FacebookページやTwitterの公式アカウントに投稿された生活者の声を取り上げて紹介する(聞く+共有する)
- プレゼントやサプライズ企画を開催すると同時に声を集めて紹介する(聞く+共有する)
- ソーシャルやブログをリサーチして声を見つけ感謝を伝えてソーシャルで紹介する(聴く+ホメる+共有する)
いずれも、当社が運営を支援するコミュニティで実践しているアクションです。
なんどでも一緒に居酒屋に行って、楽しく飲める友達として、生活者との関係を築けるように。たくさんしゃべりたいところをぐっとガマンして、まずは生活者の話しを聞き、しっかりリアクションする。そしてさらに多くの人たちにその声を共有することをオススメします。