ファストパンクやメロディックなハードコア好きな友人が、AKB48にハマっています。なぜ?と思いながら、ついついボクも聴いてしまっています。が、その理由が見えてきました。
90年代のメロコア時代の旗手に「NOFX」というバンドがあります。ふざけたルックスとお下品なリリックの中に、ちょっとしたアナーキシズムを含ませたアティチュードが好きで、ボクもよく聴いていました。そういう調子で、過激な歌詞のせいでラジオで放送禁止になることもしばしばありました。
そんな彼らが、放送禁止にしないで!と唄った曲があります。そこにはパンクやメロコアのヒットの要素を盛り込んだから。と訴える詩があります。
Please play this song on the radio♪
We wrote this song
It’s not too short, it’s not too long
It’s got back-up vocals in just the right places
It’s got a few oohs and aahs
And it takes a little pause
Just before I sing the F-Word
Please play this song on the radio
Almost every line is sung on time
Almost every verse ends in a rhyme
この曲をラジオで流してください♪
俺たちはこの曲を書いた
短すぎず、長すぎず
ちょうどいい所にバックコーラスも入れてある
ウーとかアーとかってコーラスもちょっとある
そしてちょっとした間をあけてある
俺が”Fワード”を歌う直前に
この曲をラジオで流してください
ほとんど全部の歌詞はタイミングよく歌ってる
ほとんど全部の歌詞の一節は韻を踏んで終ってる
こんな感じ。ここにヒット曲、受け入れやすいメロディラインの要素が唄われてします。
- ちょうどいい所にバックコーラス
- ウーとかアーとかいうコーラス
- ちょっとした間(と転調)
- 韻を踏んだ歌詞
これらの要素が間違いないところは、NOFXよりも少し後。2000年代にファニーなぐらいにこのヒットの要素を曲に盛り込ませた「ハイブス」や「フランツ・フェルディナント」が、多くのライブで大きな歓声とともに迎えられることで実証されます。
さて、AKB48のベストアルバムに入っている以下の曲を聴いてみると。
- 大声ダイヤモンド
- 10年桜
- 涙サプライズ
あのメンバー数で唄っているので、バックコーラスは過多なほど入っています。それから、曲のハイライトで転調があります。その具合ったらハイブスよろしくひとつの曲に違う曲が2~3曲入っているんじゃないの?ってくらい。
AKB48の曲は、聴いてみて気づいたのですが、アイドルなのにファストなロックビートがほとんどです。それにメロコアのヒットの要素を押さえることで、90年代にメロコアに心躍らせたオジサンの入り口の人たちに、GreenAgeの頃のキュンキュンとした想いを思い出させてくれるのかもしれません。そんなヒットの理由を感じました。
あ、恋するフォーチュンクッキーは70年代のフィリーソウルよろしくで、また趣の違いますが、ナイスなメロディラインです : )