andymoriという日本語ロックンロールのバンドが好きだ。
ロックンロールは儚い音楽でないといけない。ビートルズよろしく3分以内のワークスに目一杯のあふれる感情を込め、日本語で歌い上げた短命のバンドだった。
彼らを観た、サマーソニック2009を想い出す。真夏の真昼間のインドアステージ。決して良い出番順ではないので、その辺りのミュージシャンはプロモーションにも躍起だ。新しいファンを作るために精一杯のMCと前のめりのパフォーマンスで汗をかく。
andymoriの時間。彼らはうつむき加減で現れる。熱狂的なサウンドでありながら、大仰なパフォーマンスは一切ない。誰もが力を込めるラストの一曲。彼らの選曲は“すごい速さ”。
きっと世界の終わりもこんな風に味気ない感じなんだろうな あのバンドの新譜と牛乳を買いに部屋を出たけれど
すごい速さで夏は過ぎてが ベイベー ラララララララ 熱が胸に騒ぐ
ラスト一曲を。わずか56秒で唄いきり颯爽と退場する。すごい速さで過ぎた夏。
日本語のロックンロールは衝動的にどうしてもこうしても心に響くから仕様がない。彼らのリリックの中でも一番に響いてくるのが“革命”。きっといろいろな世代が当事者として心に刻む詩。おじさんのサラリーマンだって。
100回 1000回 10000回 叫んだって 伝わらない 届かないこの想いは
100日 1000日 10000日 経った後で きっと誰かの心に風を吹かせるんだ
今日の結果は明日でることは少ない。もしかしたら、その成果は10000日経たないと見えないかもしれない。そんな不安に、誰もが、サラリーマンだって駆られている。新しいことほど届かないし、伝わらない。10000日経ったってダメな時もある。でも、少しの勇気。多くじゃなくて、きっと誰かの。たとえ一人でも、心に風を吹かせることができれば。それは、それで良い気がする。
一生懸命やろうよ。明日も。
andymoriも解散するけど、10000日後にボクは聴くよ。そしてその時も、やっぱり心に風が吹くと思っている。