先日参加した「共創マーケティングセミナー」での、花王のデジタルコミュニケーションセンターの石井センター長の話です。
その意思決定の背景には10年前から花王が取り組んでいるコミュニティ「ピカママ」がありました。
ピカママは2004年に誕生し、乳児の母向けの情報サイトとして運営していました。2年ほど運営したのち、直面した問題はネタがない。という状況でした。今のFacebookページが抱える問題を10年前に経験していたんですね。
その問題に直面した時に、ピカママがとった方法はユーザとの対話でした。期間限定の双方向コミュニケーションはとても盛り上がったので、会話の内容をコンテンツ化して、記事をユーザにフィードバックしました。が、そのコンテンツはユーザの興味を惹くことはありませんでした。
ピカママはそこで、「ユーザとの対話はライブだから楽しい」という仮説を立て、本来のライブなコミュニティとして舵を切りました。
ピカママコミュニティの価値は「生活の情報提供」ではなく、「自社商品の利用者の声が集まる」ことでした。専門的なコミュニティが他に存在する中で、心あるユーザは「メリーズの試用体験を話したい」という動機を持って、ピカママに集まっています。
CMへの照英さんの起用も、ユーザの「メリーズ体験」のコンテキストに「パパ」「お父さん」のワードの登場回数が増えたことに気づいたからです。
一方で、石井センター長は「顧客の声でヒット商品は生まれない」とも言い切ります。顧客の声は、その背景にある生活の変化や新しい市場の芽に気づくことに使うべき。だそうです。とても実践的です。