マーケティングに関わる言葉で「真実の瞬間(Moment of truth)」というものがあります。「消費行動における重要な顧客接点」のことを指しています。
マーケティング・テクノロジーの進化に伴い、生活者と企業の「接点」が変わったり、増えたりするにつれ、「真実の瞬間」は再定義されて、マーケティング活動に活かされてきました。
1980年。最初にビジネス用語として「真実の瞬間」を使ったのは、スカンジナビア航空のCEO「ヤン・カールソン」でした。カールソンはスカンジナビア航空のスタッフと利用客がコミュニケーションを交わす15秒の間に、ブランドを印象付ける体験ができるようにスタッフに権限を付与しました。
2000年。「P&G」は「真実の瞬間」を二つの場面に再定義します。
店頭での顧客接点「FMOT(First Moment Of Truth)」と、使用場面での顧客接点「SMOT(Second Moment Of Truth)」です。この定義で、P&Gは商品開発に傾倒していた企業の資源を店頭領域におけるマーケティングにパワー配分し、より「商品力」の強さを感じてもらうことに成功しました。
そして、2010年。Googleは「FMOT」「SMOT」を継承しつつ「ZMOT(Zero Moment of Truth)」を定義します。インターネット、検索エンジンの普及により、生活者の消費行動の意思決定に、Webサイトの情報が大きく関わるようになったことを示す定義です。
こうした「真実の瞬間」をめぐる企業活動は、生活者の行動に付帯する事実をいかにしてキャッチするか、その重要性を説いています。
FMOT:店頭リサーチ
SMOT:消費者リサーチ
ZMOT:Webマーケティング
我々が取り組むサービスを並べてみると、生活者と企業との「真実の瞬間」を明らかにし、また演出するラインナップが揃っています。また「真実」を明らかにするためには、「ご意見を聞く」ではなく「行動を観察する」という調査手法にも注目するべきと感じます。
生活者と企業の「真実の瞬間」にもっとも精通している
そんなポジションを築いていきたい。30年以上前から繰り広げられる「真実の瞬間」をめぐる物語を見て、改めてそう感じます。