あんたたちー♪
のひと言で夢見ごこち。
■2006年7月28日(Fri)14:30
□加藤登紀子
■at FIELD OF HEAVEN
会場に到着してからそのままだった、雨対策バッチリのバックパックを置くためにグリーンに拠点を作りつつ、最も幻想的なステージ「FIELD OF HEAVEN」に向かう。
ホワイトよりもさらに奥。山道をテクテク歩いていると、聴きなれたミュージック。
あれ?
これはジョン?
ネットリとした豊潤な声でジョン・レノンのパワー・トゥ・ザ・ピープルが唄われる。
少し足が速まる。民衆の為に歌われる自由の詩。
♪人々の力
♪人々の力
力強く唄われる「人々の詩」
フワフワとシャボン玉が揺れるのが見える。
純白のドレスを身に纏った加藤妃が見える。
あぁ、ヘブンに溢れんばかりのシャボン玉と人々。
あんたたちー♪
絡みつくMC。
男の子がこんなにたくさん来てくれて。うれしい。
余裕のMC。
続くは青春パンクのモンパチ「あなたに」。
なんだっ?
登紀子ワールドの始まり。at ヘブン。
そこからは知らない曲だけど、
右後方の45歳(推定)の中年夫婦と、左前方の20歳(推定)のガーリッシュなオシャレ長靴のオネイサンと、一緒にスゥィング。シャボン玉と緑の木々が演出する登紀子ワールドに揺さぶられる。
手に持つビールをゆっくりと、味わいながら飲みながら。
楽しめたステージはこれが唯一。40代(推定)のオーディエンスとシンクロできたステージはこれが唯一。あぁ。ゲストの愛娘さんと、愛孫。3代に渡って繰り広げられたステージもこれが唯一。
気が付けばクライマックス。
聴きたかった百万本のバラが唄われる。
哀しい詩。
小さな家とキャンバス 他には何もない貧しい絵書きが 女優に恋をした
という詩。季節は夏の始まりだけど、鳥肌が立つ。
濃厚に唄われる、哀しい詩。
もう1曲を挟み、
登紀子ワールドの終焉に、
ちょっと時間押しちゃうけど、「知床旅情」どう?
と問うてくる加藤妃。
場違いなのを感じつつ、みなが「Yeah!」と応える。
夏の始まりの「知床旅情」。
フォークギターで唄われるジャパニーズ女性ヴォーカル最高の歌。
そう思っていたし。聴いてからもそう感じた。
フジロックの初日。ヘブンでは化学変化が起きた。
20代と30代と40代と50代。夏と冬と。享楽と悲哀と。シャボン玉と。
鳥肌を立てながら後にした「FIELD OF HEAVEN」。