夏休みの最後の一日を利用して「天気の子」を観てきました。
今さらですかね。でも、夏の間に観ることができてよかったです。以下、ネタバレにならないように気を付けつつ感じたことを記録しておきます。
まず、長梅雨だった今年に放映されるというところが持っている映画だな。と感じました。夏を待ちわびて、毎日降る雨が早く止まないかと自分でも思っていたので、作中の雨が続く日々の憂鬱さと晴れを願う人たちの想いに少なからず共感が高まりました。
そして物語は「僕たちはたしかに世界を変えた」という主人公「帆高(ほたか)」の告白からはじまります。本作についてソーシャルメディアでつながる人たちからの「観たよ」報告はたくさん目にしましたが、世界の何が変わったのか。をネタバレするレビューは一つもありませんでした。だから、ボクもドキドキしながらその何かを想い見続けることができました。
新海誠監督の前作「君の名は」もたくさんのソーシャルメディアでのクチコミで関心が沸き、大分公開から時間が経ってから劇場で観ました。その時も、あの急展開を事前に認知していなかったので、その展開にすごく驚き、楽しく観ることができました。
https://ryu.jpn.com/archives/4428
改めて、ソーシャルメディアでつながる人たちのリテラシーの高さを感じるし、その何かを大切にしないとと思わせる新海誠監督の映画・ストーリーのすごさを感じます。
さて、内容はというと。これも前回と同様ですが、登場人物がみんな魅力的です。すげぇ、友達になりたい人ばかり。帆高は応援したくなる男の子だし、もう一人の主人公の「陽菜(ひな)」は健気だけど明るくて泣き顔でスマイルがめっちゃ素敵な女の子。その弟の「凪(なぎ)」はプレイボーイだけど、芯はすごく優しくて柔軟な小学生。帆高と深く関わる二人の大人のひとり「須賀(すが)さん」は一見ミステリアスだけど、ダメさも優しさも隠し切れない人の好さがあって。もうひとりの大人の「夏美(なつみ)さん」はカッコいいけどカワいい女性で、とても魅力的。
ちょっとだけ残念なのは帆高の家出の理由がよく分からなかったことと、想像していたよりも軽い理由だったんじゃないかなと感じたこと。それから登場シーンはハスッパだった夏美のキャラが中盤でちょっとブレちゃったりしたところ。でも、そんな部分を補って余るほど各登場人物が前向きで、魅力的に描かれていました。
で、そんな主要登場人物の前向きな魅力と同様に、主人公二人によって変わってしまった世界を、人々は前向きに生きていること。ここがとても気持ちがよい映画でした。詳しい内容は書かないけれど、現実でも今の世界が少し悪くなってしまっても、人々は力強くその世界に順応して生きていくんだろうと、ボクは思うことができました。だから小さなことにクヨクヨせず、人の気持ちを慮りつつ、自分が本当にやりたいことはやっていいんだとも思います。
作中の主人公の二人も世界を変えてしまったことへの負い目も感じつつ、それでも生きる人々に勇気づけられて、だから最後は気持ちよく笑顔で終われたのだと思います。前向きな気持ちにさせてくれる映画が好きです。ちょっと憂鬱な気分になる夏休みの最後に、この映画が観れてよかったです : )