昨年末、およそ半年前に購入した新喜皮革社のコードバンを使用したL字ファスナーロングウォレット(長財布)のエイジング(経年変化)の記録です。
コードバン素材の革製品を手に入れて永く使いたい。でも、革靴はハードルが高くて使うのに躊躇してしまいそうなので財布から。と思い立って手に入れたロングウォレットです。そんな経緯であったのに、つい最近コードバンのペニーローファーを購入しました。およそ半年で当初の思惑から外れてしまいましたが、、この財布がコードバンの魅力を掻き立ててくれたから。と前向きにとらえて、革靴も革財布も大切に使っていきます。
この長財布は購入当初からしっとりとした良い光沢を放ち、手に持つとモチっとした吸い付くような革質でエイジングに期待するまでもなく、今の状態で永く使いたい。と思わせてくれるほどの革質でした。なので、手入れも最小限に。これまでは端切れで乾拭きする程度だったのですが、同じコードバンの革靴を購入した記念に、ではないですけどはじめて少しだけクリームを入れて手入れしたので、その表情を記録しておきます。
新喜皮革コードバンL字ファスナーロングウォレット~はじめてのお手入れ方法
お手入れ方法は前述の通り最小限でシンプルに済ませました。
- 馬毛ブラシでブラッシングし汚れとホコリを落とす
- アニリンカーフクリームを端切れを使って塗布する
- 馬毛ブラシでブラッシングしてクリームを馴染ませる
- 最後に端切れで乾拭きする
以上で完了です。ボクはどちらかというとキャッシュレスな生活を送っており、財布を取りだす場面も以前よりぐっと少なくなりましたが、それでもいつもこの財布は持ち歩いています。ほとんどが鞄の中ですが、仕事中のランチのときには尻ポケットや胸ポケットに財布を突っ込んで出かけたりします。そのため、傷や汚れなども多少ついてきました。
傷や汚れで一番目立つのは上の写真の部分です。確か、息子のサッカーを見学しているときに、尻ポケットに財布を突っ込んだままネットの土台のコンクリートに腰かけた時につけてしまった傷と汚れです。ひっかき傷もついていて、色落ちもしてますね。この辺りは上記の手入れでは目立たなくすることができませんでした。が、味だと思って納得しています。
新喜皮革コードバンL字ファスナーロングウォレット~購入当初と半年後の表情の比較
最初にファスナーを締めて持ち手が右にくる側の表面です。傷や色落ちができている部分はこちら側、表面です。多少目立ちますが、問題ありません。全体的にしっとり輝く革質は変わりませんが、多少凹凸が出てきたことが見て取れます。もっと使い込むことでこの辺りがより目立ってくるのでしょうか。革靴の履きジワと同様に、革財布ではこうした凹凸が味になりそうです。
持ち手が左側にくる裏面の豊穣です。こちら側は傷もなく、しっとり輝く表情は購入当初と変わりがありません。多少凹凸のうねりが出てくることで、光の反射具合が変わってきているようにも見えます。
底面です。もっとも稼働する部分で劣化が気になる部位ですが、ひび割れやほつれなどは一切見られずキレイな状態のままです。向かって右側、側面がファスナーの面が少しくったり曲がっていて変化が見られます。
側面のマチ側です。コバの削れやステッチのほつれなどが心配な部分ですが、まだどちらも健在でキレイな状態です。
上面のファスナーです。変化はありません。この角度から見ると、表面(裏面?)のコードバン面のうねりが見て取れて変化を感じます。
側面のファスナー面です。コバ、ステッチ、ファスナーのいずれにも変化はありません。まだまだ良い状態です。
内側です。ヌメ革とシルク生地で構成されています。キレイな状態です。ヌメ革にもアニリンカーフクリームを薄く塗布しましたが、そのせいでか多少革の色が濃く見えます。ヌメ革が重厚に日焼けして茶色に輝く、という状態までにはまだまだ時間がかかりそうです。
ということで、コードバンのL字ファスナー長財布にはじめてクリームを入れて手入れしたので、その変化の様子を記録しました。一緒に、同じくコードバンのキーケースと名刺入れも同様のお手入れ方法でメンテナンスをしたので、並べて記念撮影です。一番歴史が長い、右側の名刺入れはもっともコードバンっぽいツヤが出ているでしょうか。いずれも永く使っていきたい革小物です : )