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ふくはうち|社会に「ふく」を呼ぶモノ選び~ちょっと大げさだけどね。

ふくはうち|社会に「ふく」を呼ぶモノ選び~ちょっと大げさだけどね。

「ふくはうち」というリレーブログにお声がけいただき、ブログを書きます。

新型コロナウイルス禍の状況においても、「洋服や靴が好き」な人たちがお家で過ごす時間を少しでも楽しくするためのブログをつなごうとはじまったこの企画。「おしゃれを求めなくなったとき、俺は死ぬのか」の「なべこぱんさん」からバトンをつないでいただき、第9走者として登場です。こんなブログをご覧いただき、記事のリコメンドとバトンをつないでくれたなべこぱんさん、ありがとうございます。ジーンズのエイジングと、トリッカーズという共通の好きなものも知ることができてうれしかったです (^^)

なべこぱんさんの記事だけでなく、これまでこの企画のために書かれたブログを何度も読み返しました。洋服や靴などファッションに一家言も二家言もある方々が書かれたブログばかりで、独り言のような雑記ブログを書いているボクが参加するのは本当に恐縮でハードルが高いです。でもそんな方々がせっかくつないでくれたこのバトン。読んでいただく方をがっかりさせないように、がんばって書きます。

まずは、自己紹介から。本企画に参加されている方々ともあまり交流がないボクですので、そこからはじめてみます。

ふくはうち:自己紹介とテーマについて

山梨県生まれ、東京都葛飾区在住の42歳です。マーケティング会社に勤めて約20年。今はマーケティング・リサーチ事業の担当役員を務めていて、その中でも特に商品開発やサービス開発のアイデア発想の支援に力を入れています。これまではアイデアの素を「生活の中にある生活者の小さな欲求」から見つけていました。少し前からは、それに加えて「世界のみんなで考えないといけない大きな社会課題」を新商品や新サービスを考えるためのエッセンスにしています。

小さすぎて注意深く観察しないと見えてこない不満と、大きすぎて普段は考えないけどふと考えると怖くなる不安。これらを組み合わせて考えることで、日々の生活と社会・世界を少しずつよくすることができるアイデアを発想できると考えています。

で、ちょっと強引だけど洋服や靴選びにも、こうしたマーケティングや社会課題に対するアクションを参照して選んでいたり、選びたいと思っています。そうすることで、地球や社会に「ふく」を呼ぶ、良いモノ選びができるようにしたい。そんなテーマで「ふくはうち」のブログを書いていきます。

ふくはうち:マーケティングと社会課題のキーワード

次にマーケティングや社会課題のキーワードを並べて、その説明とだいぶ強引に洋服や靴選びの基準につなげていきます。

①サスティナブル(持続可能)

サスティナブル(持続可能)な社会づくりという課題は、日常生活でも耳にする機会が増えてきました。人間の活動が自然環境や資源に悪影響を与えず、かつその活動を維持できるようにする。そんなメッセージとして使われています。以下にあげるキーワードを包含するような大きなキーワードでもあります。このキーワードに対しては、着続けられる、履き続けられるモノ選びです。ボクの場合は、気持ちよく持ち続けられるモノ選び。もっというと、持ち続けるほどに愛着が沸く、エイジング(経年変化)が心地よいもの。革靴やジーンズをはじめとした、革製品やコットン素材の天然素材のモノを選んでいます。天然素材のモノは、石油由来の化学繊維を使わないという点で、環境に悪影響を与えないモノでもあります。

②気候変動

世界的に社会課題の一番大きな問題として取り上げられつつあるのが「気候変動」です。様々な自然災害を引き起こす気候変動は、人々の活動によって温室効果ガス、特に二酸化炭素が排出されることが原因とされています。この辺りは、新型コロナウイルスが世界的に蔓延した今、改めてみんなで考えることに価値があると思っています。新型コロナは人々が自由に世界を移動できることができるようになった環境があったからこれほど世界に蔓延したと思いますし、気候変動の原因となる二酸化炭素は移動によって多くが排出されています。気候変動に対するアクションは、進行させないことと対応することの2つがあります。前者は永く使えるモノを選ぶこと、石油以来のモノでなく天然素材のモノを選ぶこと。後者は全天候に対応できる、風雨に強いモノを選ぶこと。そんなモノ選びをしたいと思っています。

③格差社会

格差の問題は国と国の間の格差、国内でも地域や経済の格差、性別による格差も存在します。モノ作りの経済環境にも大きな課題が存在し、立場の弱い途上国の生産者や労働者が不当な条件で商品の提供や労働を強いられることが多くあります。この課題に対しては、具体的にフェアトレードをうたう先進国企業が現れています。価格が高くてもそうした企業のモノを選ぶこと、それから、歴史と伝統がある先進国のメーカー、メイド・イン・ジャパンや、メイド・イン・US、メイド・イン・UKなどのモノを選ぶこと。そんなアクションを取りたいと思っています。

④ナラティブ

ナラティブは「語ること」という意味です。ストーリーを説明するよりももっと自由に、より個々人の体験や出来事を語ること、飛び交う情報があまりにも多すぎる環境だから、そうしたよりパーソナルな出来事に寄り添うコンテンツにこそ価値が生まれるとされています。モノ選びではそのブランドやそのブランドのファンのナラティブが心に響くモノを自然と選んでしまいます。そして、そうしたモノ選びをすると、今度は自分がそのブランドの語り部となってナラティブの発信者となる循環を生んだりします。この「ふくはうち」の企画に参加するブロガーさんたちはまさにそんな存在ですね。誰かのナラティブが次のナラティブを創る。そんなクチコミの連鎖がつながるモノを選びたいと思います。

⑤マーケティング4.0

1970年代にモノ作りを中心としたマーケティング1.0からはじまった歴史は、2010年代にマーケティング4.0まで歩みを進めました。マーケティングの父「フィリップ・コトラー」による歴史の整理です。コトラーはマーケティング4.0の時代を「自己実現を目指すマーケティング」だと説きます。たいていの大きな不満は解消され、だいたい満足な生活をおくる我々は、今後は自分や家族だけでなくもう少し多くの人々を見て、今だけじゃなくもう少し未来を考えて、モノを選んでいくものと考えています。地球や世界の人々は未来の子どもたちのことまで考えて生活をおくること、それが自己実現の時代だと思います。

ふくはうち:キーワードに対するモノ選び

先に挙げたマーケティングと社会課題の5つのキーワード。それに対応する洋服や靴をとっても強引に選んでその背景を説明します。今日選んだブランド以外にも大好きなモノはたくさんありますが、今の季節や気分をそのままに選びました。

写真は大分格好つけてステイ@ホームの時期に自宅のベランダで撮影しました。手にしている本は、今年発売された2010年代のポップ・カルチャーをその作品に透けて見える社会課題へのメッセージとともに紹介・説明してくれる「2010s」です。

●アウター:パタゴニア「フーディニジャケット」

パタゴニアは世界でもトップクラスに社会課題解決への取り組みを明言している企業・ブランドです。サスティナブルや気候変動への取り組みとして、リサイクル・ナイロンを100%使ったファブリック作りや、Worn Wearと題して洋服の修理・再活用を促しています。格差社会に対する取り組みでは、フェアトレードに5年前から取り組んでいます。こうした彼らの姿勢・アクションはナラティブとして世界中に伝播していて、ボクもそしてパタゴニアファンの多くが彼らの商品を購入し、身に着けることで自己実現の欲求を満たしています。

●トップス:ラコステ「L.12.12 ポロシャツ」

1933年にポロシャツの原点として誕生して以来、姿を変えずにサスティナブルなアイテムとして今も愛されています。素材はコットン100%で何度も着て、洗うたびにエイジング(経年変化)していきかつ、永く着続けることができます。永く着続けられるからこそ、毎年色違いを買い足すことで年々カラーバリエーションが増えて、そのラインナップが充実してくるほどユーザーは語りたくなり、ナラティブが生まれる好循環が作られています。

●ボトムス:リゾルト「AA710」

メイド・イン・ジャパンのジーンズ。作るのは4つの型のジーンズだけ。10年、20年後も同じ型のジーンズを穿いてもらえるようにあえて提供するラインナップを絞っています。その分各型のウェストサイズはもちろん、レングスのサイズもたくさんのバリエーションを作り、細やかに計算されたジーンズのフォルムをレングスカットで崩すことがないように、穿く人に合わせて提供する。サスティナブルなモノ作りができるように、モノにも穿く人にもナラティブが生まれるように、そんな姿勢を感じるジーンズです。

●シューズ:パラブーツ「シャンボード」

きっと「雨の日の革靴」として世界中の人に一番愛されているシューズブランドです。油分をたっぷり含んだ屈強なリスレザー、世界の革靴メーカーで唯一自社生産している厚いけど履き心地柔らかなパラテック・ソール、手間をかけて縫製するから雨の侵入を許さないノルヴェイジャン製法などなど、語りたくなるナラティブがたくさんあります。革靴は10年、20年と永く履いていきたいから、気候変動によって革靴が履きづらい環境になってしまっても、この全天候型のパラブーツをサスティナブルに履いていきたいです。

♪  ♪  ♪

だいぶ強引でしたが、マーケティングや社会課題を背景にしたモノ選びを語ってみました。永く持ち続けられるモノを選ぶと、ひねりのない定番が多くなります。しかもボクは他者に影響されやすいので、好きなファッション雑誌の「Begin」や、好きなセレクトショップの「BOYS MARKET」で紹介されているモノたちをそのまま選んだり。あまりオリジナリティのない、ユニークじゃない内容でちょっと恐縮してしまいます。

でも、きっと今後もちょっと強引にでもこんな視点を頭に入れながらモノを選んでいくと思います。マーケティングで人の気持ちを考え続けて、加えて最近はマーケティングの要素として社会課題をフォローしないといけないことに気が付いて、こんな視点を持つようになりました。

大きな社会にとってはとてもとても小さなアクションだけど、小さな「ふく」を呼べるようなモノ選びを今後も続けていきます : )

ふくはうち:次は「いぶし銀杏な生活」にバトンを渡します

ふくはうちの次のバトンは「いぶし銀杏な生活」のgohkitiさんに渡します。ボクをふくはうちの企画にお誘いいただきました。よいきっかけを作っていただきありがとうございました。gohkitiさんのブログではファッションやカルチャー、投資やご家族のことなど、穏やかで優しさが溢れるライフスタイルを拝見することができます。

いずれも落ち着いた語り口で、でも各所からのリファレンスとともにご自身のオリジナルな考え方を丁寧に説明してくれます。他のサイト・ブログには載っていない、ここだけの情報を参考にさせていただいています。フォローするきっかけは、タイムスタンプを見るとちょうど5年前ですね。ボクも当時穿いていた「A.P.C.」のジーンズを、熟慮の結果ドライクリーニングに出す。という記事を拝見したことです。
 

ボクはあまり他のブログにコメントしたりしないのですが、ドライクリーニングによるエイジングの結果が興味深くてコメントしたところ、とても丁寧にレスポンスをいただきファンになってしまいました。今は2代目のA.P.C.のジーンズをリジッドから穿きこみ中とのことで、こちらのエイジングの進行も楽しみに拝見していきます。
 

それから、資産運用の記事も毎回参考にさせていただいています。資産運用の考え方、結果をこうしてブログの記事に記録しておくスタイルは、gohkitiさんのブログを見てボクもマネさせていただきました。記録をすることで、良いときも悪いときも(特に今とか)、しっかり考えてどっしり構えて長期的に考えるという向き合い方ができるようになりました。
 

革靴に関する記事も何度も繰り返し拝見しています。特に「J.M.Weston ゴルフ」の万力締めに悩みながらも、ご自身で試行錯誤されて履きこなしていく様子は、美しいゴルフの写真とともに憧れの眼差しで拝見していました。(ゴルフは今でも憧れの靴なのですが、gohkitiさんは手放されてしまったのですかね。。)
 

重衣類・コートのラインナップに関する記事も大好きです。様々な表情を持つコートのラインナップの着こなし方に憧れて、ボクもついついコートの枚数が増えてしまいました。そうそう、バブアーを自分でリプルーフしようと思い立ったのもgohkitiさんの記事がきっかけで、やり方も記事を参考にさせていただきました。

ブログで書かれているモノについてもコトについても、しっかりした考察をもとに魅力を伝えてくれるブログです。ぜひ、「いぶし銀杏な生活」をご覧ください。ふくはうちの記事も楽しみにしています : )

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