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反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方~情報は反脆い。だから「あなただけ」に伝える。

自己評価は「小心者」です。アラフォーになる今まで大きな挫折がなく生きてきたけど、だからこそ「不確実性」や「ランダム性」への耐性に対して不安に思う、小心者です。

そんなボクのための本かな?と思って手に取ったのが「反脆弱性――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方」です。

情報は反脆い。火は障害物を糧とする。

著者のタレブは反脆いものとして「情報」をあげて、以下のように説明します。

情報は反脆い。情報を広める努力よりも、情報を壊す努力のほうが、情報にとっては糧になる。たとえば、自分の名声を守ろうとするばっかりに、かえって名声に傷をつけてしまう人は多い。 賢いヴェネツィア人は、秘密だと偽って情報を広めるすべを知っていた。あなたも噂を広めるとき、こんな実験をしてみるといい。誰かに秘密を教える。そして、それが秘密であることを知らしめるために、「誰にも言わないでね」と釘を刺すのだ。秘密にするよう頼めば頼むほど、噂は広まるだろう。

なるほど。腹落ちするコミュニケーションです。結果として広く広がった情報の例として、以下のように「禁書」をあげています。

誰でも若いころに気づくように、本や思想は反脆く、批判を糧にする。ローマ皇帝のマルクス・アウレリウス(ストア哲学を実践する作家のひとり)の言葉を借りれば、「火は障害物を糧とする」のである。

禁書には独特の魅力がある。禁書は禁止命令に対して反脆いのだ。私が子どものころに初めて読んだグレアム・グリーンの本は、『権力と栄光』だった。その本を選んだ理由はほかでもなく、カトリック教会の禁書目録に載っていたからだった。10代になると、国外在住のアメリカ人、ヘンリー・ミラーの本をむさぼり読んだ。彼の主要作が23州で発禁になると、1年で100万部が売れた。『ボヴァリー夫人』や『チャタレイ夫人の恋人』にも同じことがいえる。

禁書は現代の「炎上」につながるでしょうか。あえて批判を起こすことによって、多くの人の耳目を集める方法が「炎上マーケティング」という名目で注目されたこともありました。ちょっとレベルが違うかな。

ボクが仕事として扱う「クチコミ」も情報の伝達経路としてはとても似ています。

クチコミは反脆い。だから「あなただけ」に伝えるのだ。

当社は狭義のクチコミを以下のように整理しています。

  • 既知の信頼関係に立脚した
  • リアルな
  • 1対1での
  • 直接的で
  • インタラクティブなもの

インターネットを介したクチコミはこれには限らず広義のクチコミとしています。

マスコミが経済的なパワーを用いて、広く大きく人々に情報を振り下ろす頑強な存在としてみることに対して、やっぱりクチコミは「反脆い」ものだと考えます。上の5つのクチコミの定義は「反脆さ」をもったコミュニケーション方法です。1対1で直接的にリアルなコミュニケーションで「あなただけに教えるね」というクチコミは、反脆く徐々に燃え上がっていきます。

クチコミや定性調査など、どちらかというとマスではなく草の根なコミュニケーション方法をマーケティングに生かしている当社の事業を「反脆い」ものとして考え、実践してみるとある種のドライバーになるのではと思いました。反脆いもの、ボクはきっと好みです : )